「40代・男性・新卒看護師」を部下に持った経験からアドバイス！30代・40代男性がこれから看護師を目指すことは可能？
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30代・40代で看護師を目指す男性が増えているらしい
最近、ネットの質問サイト等で、「30代・40代男性が脱サラして看護師を目指すのは可能か？」といった内容の相談を多く目にしました。
十数年前から、いわゆる「脱サラ」で看護師を目指す男性は増えています。
将来的な安定ややりがいのある仕事を求めて、看護師を目指す人が増えているということは、喜ばしいことだと思います。
しかし、気になることがありました。
それらの質問・相談に対して、どうも現役看護師からは否定的な声が多いのです。
というのも、「私の職場にもそのような看護師が就職してきたが、うまくいかなかった」「学生時代にそのような人がいたが、途中で退学してしまった」というような、失敗談が圧倒的に多いのです。
確かに、40代になってから新しい仕事に挑戦するということは、簡単なことではないと思います。
しかし、それは看護師に限ったことではないと思います。
私は、40代で看護師免許を取得し、今でも現役看護師としてバリバリ働いている男性を知っています。
彼が新卒として私の勤務する部署に配属されてきた当時の思い出をもとに、30代・40代の男性が看護師を目指す時の成功のカギについて考えてみたいと思います。
「40代男性」の新卒看護師が入って来た
近年、社会人経験のある新卒看護師が増えています。
首都圏のとある看護専門学校では、学生の半数が社会人経験者でした。
そのため、新卒として入職してくる看護師の年齢や経験値は幅広くなっています。
ある年、私の勤務する大学病院では、4月採用の新卒看護師の半数以上が社会人経験者でした。
上層部の意向で、意図的に社会人経験のある新卒看護師を積極的に採用したのです。
ちなみに、社会人経験のある新卒を雇用する職場側のメリットには、以下のものが挙げられます。
- 社会人としてのマナーを一から教えなくて良い。
- コミュニケーション能力が高い。
私が副看護師長として勤務する病棟には、40代前半の男性が新人として配属されました。
大企業のサラリーマン出身の新人男性看護師Hさん
40代男性の新人看護師Hさんは、誰もが知っている有名大企業で役職に就いていました。
既婚で子供が2人いました。
もともと医療関係の仕事に関心があり、30代後半で思い切って企業を退社。
4年制の看護大学に入り、この春国家試験に合格しました。
有名大企業で出世するだけあって、そもそもの学力は高かったのだと思います。
看護大学は比較的スムーズに入学したようです。
就職当時40代になっていたHさんですが、年齢よりも若く見えました。
学生時代から若い人たちに囲まれていたせいかも知れません。
企業で役職に就いていただけに、受け答えは非常にしっかりとしていて、患者とのコミュニケーションにも安定感がありました。
それでいて看護スタッフには控えめな態度で接しており、既存のスタッフとも早くに馴染んでいきました。
心配していた医師との関係も、比較的スムーズでした。
医師の中には、男性看護師を見下すような態度をとる人もいると聞きますが、Hさんの「有名大企業で役職に就いていた」というキャリアに医師も「凄い新人が入って来たね」と一目置いているような印象がありました。
「40代男性」が「20代女性」の集団に馴染むには？
40代の新人男性看護師を受け入れるにあたって、最も心配していたのは、他のスタッフとの関係です。
私の勤務する病棟は、20代の女性看護師が最も多かったからです。
しかし、Hさんは、若い女性スタッフからも「お父さん」というあだ名で親しまれるようになり、人生相談にも乗っていたようです。
ニコニコしていて明るい性格のHさんは、患者からも信頼されるようになりました。
時に、新人であるHさんに対して厳しい指導をする看護師もいました。
しかし、Hさんは、自分より年下の看護師からの指導を素直に受け入れ、後から愚痴をこぼすようなこともしませんでした。
感情をコントロールすることが上手な人だったのだと思います。
そのような態度を含め、Hさんは、スタッフから尊敬に近い眼差しで見られていました。
ただでさえ肩身が狭い思いをしがちな男性看護師ですが、Hさんは、「40代・男性」という看護師業界の「マイノリティ」であることをむしろ味方につけて、自分の居場所を確保していきました。
Hさんは、職場で「浮く」ということを、逆に味方につけることができたのです。
看護師としてのキャリアも大事だけれど、結局は「人間性」を見られている
Hさんは新人なので、当然、看護技術では拙い面もありました。
また、看護計画立案でも、指導が必要な場面は多くありました。
しかし、努力も人一倍していたと思います。
仕事が終わってから、実習室で人形を使って採血の練習をしたり、図書室で勉強したりしている姿を度々目にしました。
看護技術に関しては、どうしても若い看護師よりも覚えが遅いため、他の看護師よりも練習が必要でした。
翌年、若い新人の男性看護師が入職してきました。
彼は、看護師として1年先輩のHさんをとても頼りにしていて、兄のように慕っていました。
その姿を見て、「2年目でこれほど新人に信頼される看護師が、これまでにいただろうか？」と感じました。
現在、Hさんは外科系病棟の副看護師長に昇進し、新人指導委員会の運営を担っています。
有名大企業で役職に就いていただけのことはあって、マネジメント能力には抜きんでたものがあるようです。
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