デキる看護師の目標管理シート記入例(目標設定の方法)!これで上司、先輩から好印象!
ツイート目標管理シートとは?
近年、様々な業種で「目標管理制度」が導入されています。
個別、またはチームごとに目標を設定し、その達成度合いで評価を決定するというものです。
看護業界では、多くの病院・施設で「目標管理制度」が導入されています。
入職1年目から導入している病院もあれば、少し経験を積んだ3年目からを対象としている病院もあります。
目標管理の評価がボーナスの査定に繋がる職場も多いです。
目標管理制度の流れ
それでは、目標管理制度の大まかな流れを説明しましょう。
- 1.「目標管理シート」を提出
年度初め、係や委員会などが決まると「目標管理シート」を作成し、上司に提出します。
- 2.上司と面談
提出した目標管理シートに沿って、上司と面談します。この時には、設定した目標の妥当性などを話し合います。目標が適切でないと判断されると、再提出を求められる場合もあります。
- 3.中間評価
9~10月頃に「中間評価」を行います。目標管理シートに沿って、まずは自己評価をします。それを上司に提出し、それに基づいて「中間面談」を行います。ここで、目標を修正するケースもあります。
- 4.期末評価(最終評価)
2~3月に「期末評価」を行います。これも「中間評価」と同様に、まずは自己評価をし、それから上司と面談して、最終的な評価となります。
目標設定の基本!「良い目標」「悪い目標」
初めて「目標管理シート」を作成する場合、何を書いたら良いのかわからない場合も多いでしょう。
的外れな目標を立てると、上司から「やり直し」と突き返されてしまうこともあります。
目標設定の基本を押さえて、まずは「良い目標」を立てましょう。
良い目標
1.病院・看護部の理念・目標が落とし込まれている。
個人の目標を設定する前に、病院・看護部の理念・目標をきちんと理解しましょう。
2.自分の成長に繋がる目標である。
その目標が達成されることで自分自身がどのように成長するのか?ということがわかるようにしましょう。
3.明確で具体的な行動レベルでの目標となっている。
より具体的な表現で目標を設定しましょう。
4.目標レベルが適切である。
自分のキャリア・経験年数に適した目標を立てましょう。
5.評価しやすい。
客観的に評価しやすい目標を立てましょう。
悪い目標
1.精神論・曖昧な表現が多い。
「頑張る」「努力する」「気を付ける」などの表現ではなく、具体的行動を示しましょう。
目標とは「心掛け」ではなく、具体的に達成したいことを書くものです。
2.目標レベルが高すぎる・低すぎる。
看護部の教育計画などを参考にして、適したレベルの目標を立てましょう。
3.病院・看護部との関連が明確でない。
その目標が達成されることで、組織にはどのような恩恵があるのかが明確になるようにしましょう。
目標記入例を一挙公開!こうすれば、「悪い目標」も「良い目標」に生まれ変わる!
目標管理シートを書き慣れていないと、「良い目標」を立てるのが難しいと感じるかも知れません。
しかし、ちょっと表現を変えるだけで、「悪い目標」も「良い目標」に変わります。
「悪い目標」を「良い目標」に変えるワザをご紹介しましょう。
「〇月までに、○○に関する文献を〇冊以上読む」「○○に関する研修に〇回以上参加する」
知識が深まったか?
勉強したか?というのは、客観的な評価が難しいです。
そのため、事実を数値で評価できるような目標設定をする必要があります。
「いつまでに、何をするのか?」を、行動レベルで明確にしましょう。
「ミスを〇回以下にする」「ミスを昨年の〇%以下にする」
「気を付ける」というのも、客観的な評価ができません。
これも数値化する表現に変えましょう。
「ポスターを作成して掲示する」「月に〇回、連絡ノートに記載する」
委員会や係業務の目標を立てる時に「働きかける」という表現を使いがちですが、これも客観的評価が難しいです。
具体的な方法を記載しましょう。
「○○の練習を〇回以上行う」「○○を一人でできるようになる」
新人世代は、技術習得も目標管理に含まれることがあると思います。
「習得」というとレベルが曖昧なので、練習回数や、「先輩の手を借りなくてもできるようになる」というような、傍から見ても明確な達成目標を立てましょう。
「プリセプティの振り返り面談を毎月行う」
プリセプターを任されると、このような目標を立てる人が多いです。
しかし、他人の出来・不出来を自分の評価に反映させるのは、得策ではありません。
プリセプティが物凄く出来の悪い新人かも知れませんし、途中で退職してしまうかも知れません。
そのため、自分自身の行動を評価する表現に変えましょう。
目標設定にお悩みの方へ
こういった目標設定は、先輩に相談してみるのもいいのですが・・・
見るからに忙しそうな感じがして、時間を取ってもらったり、声をかけるのは、なかなか難しかったりしますよね。
的外れな目標を立ててしまって悩んでいる方、何を書いたら良いのかわからず途方に暮れている方は、コンサルタントへの相談がおすすめです。
転職サイトを利用すれば、忙しい先輩の代わりに目標設定のポイントや、目標管理シートの書き方やコツ、例文、また、今後のキャリアについて聞くことができます。
目標管理シートを使って日頃の仕事の進捗や成果について、師長と面談することもありますよね。
師長はこれからどうしていきたいのかといった、今後の目標やキャリアのことを、あなたに具体的に聞くでしょう。(私だったら聞きます)
その面談に向けて、事前練習だと思い、コンサルタントと色々話してみるのはどうでしょうか。
自分のキャリアや目標のことを職場で話すことは正直難しいですが・・・
ネット経由の申し込みで、第三者のコンサルタントであれば、周りの人たちに気付かれずに、(バレずに 笑)、こっそりと具体的な相談をすることが可能です。
正直なところ、上司、先輩に叱られるのが怖いから、ビクビクしながらしっかりした目標管理シートを作っている・・・という方も中にはいるでしょう。
コンサルタントへの相談は、こうした悩みの解決になります。
思い悩んだら、第三者への相談が一番です。
また、転職サイトのコンサルタントは病院やクリニックの、内部事情、評判についても詳しいです。
職場に少しでも疑問を感じている方は、現在の職場は世間ではどのような評判をされてるか、自分はブラックな環境で働いていないかなど、客観的に知ることができます。
コンサルタントはとても優しく、丁寧に、仕事についてアドバイスしてくれるため、職場環境がギスギスしている方には特におすすめです。
「看護部の目標」を「個人目標」に落とし込む
「個人目標」の大前提は、「看護部の目標」を具体的に落とし込むということです。
つまり、個々が「個人目標」を達成すれば、組織として「看護部の目標」が達成できるような仕組みになっていることが重要です。
具体的な例を挙げると、「健全な病院運営に貢献する」という看護部の目標があったとします。
このままでは漠然とし過ぎて、一看護師が関与できる目標ではないような気がしてしまいます。
しかし、これを「個人目標」に落とし込むと、以下のようになります。
「デッドストックを減らすため、物品保管庫の整理を行う」
不要なストックは無駄な経費となります。それをなくすことは経費削減に繋がり、「健全な病院運営」に繋がるということです。
中堅~ベテランの看護師であれば、病棟の業務改善などに携わることも多いため、これは個人目標となります。
「病棟の業務改善を行い、残業時間を削減する」
残業時間削減も「経費削減」に繋がります。
これも中堅~ベテラン看護師が関与しやすく、個人目標となります。
「〇月までに夜勤の独り立ちをする」
新人看護師の場合、「経営」などと言われると自分とは遠いことのように感じられるかも知れません。しかし、新人には新人なりの落とし込み方があるのです。
夜勤の独り立ちをすることや、ひとつでも多くの技術を習得して戦力となることは、病院経営の効率化に貢献していることになります。
また、夜勤の独り立ちは、夜勤手当による人件費の削減に繋がるため、立派な「健全な病院運営への貢献」です。
このように、一見自分とは関係なく思われるようなことでも、視点を変えることで「個人目標」に落とし込むことができます。
年代別(新人・中堅・ベテラン)、よくある看護部目標の「個人目標」への落とし込み方~例文つき~
ここからは、よくある「看護部の目標」を例にとって、そこから「個人目標」への落とし込み方を説明していきます。
個人目標へ落とし込む際は、担っている役割や立場、経験、能力などを考慮する必要があります。
自分に該当する年代の具体例を参考にしてください。
1.倫理観を高め、生命力を引き出す看護を実践する。
- 新人
- 3月までに2回以上の倫理カンファレンスに参加する。
- 12月までに看護倫理に関する文献を2冊以上読む。
- 中堅
- 3月までに、自分の受け持ち患者の事例で倫理カンファレンスを開催する。
- 看護倫理に関する研修会に1回以上参加する。
- ベテラン
- 12月までに、病棟内で倫理に関する勉強会を企画・開催し、3月までに倫理カンファレンスを開催する。
- チーム内の患者で倫理的な問題がありそうな患者がいたらカンファレンスを提案し、受け持ちスタッフのサポートを行う。
近年、看護倫理の重要性が広く認識されるようになり、看護部の目標としても倫理カンファレンスの定着などを挙げている病院が増えています。
経験の少ない新人看護師にとっては、あまりピンとこない分野かも知れません。
そのため、新人・若年看護師であれば、「看護倫理に関心を持つ」「看護倫理とは何かを知る」ということをテーマに目標を挙げれば良いでしょう。
中堅であれば、学びながらも実践に活かすことをテーマにします。
ベテランであれば、自身の見識を広げつつ、後輩スタッフへ影響をもたらすことを目標とする必要があります。
2.ワークライフバランスの推進を図る。
- 新人
- 3月末まで、自身の体調管理に留意し、体調不良で休む回数を5回以内にするようにする。
- 体調不良時は早めに師長へ報告し、必ず受診をする。
- 中堅
- 8月までにリーダートレーニングを受け、10月までにリーダー業務の独り立ちをする。
- ベテラン
- 12月までにリーダー業務をできる看護師を3名以上増やす。
- 7月までに該当するメンバーをピックアップし、師長・主任に相談したのち、本人の意思確認をする。
- 8月までにリーダートレーニングを開始する。
- 9月から、スタッフ数の多い日勤から独り立ちを開始し、12月までには夜勤・休日日勤のリーダーもできるようにする。
ワークライフバランスの推進も、近年の看護部目標のトレンドと言えます。
新人であれば、まずは自分自身がきちんと出勤できること(=欠勤しないこと)を最低限の目標として掲げれば良いでしょう。
これでは目標のレベルが低いと感じる方もいるかも知れませんが、看護師の仕事は夜勤などもあって不規則であり、慣れない仕事生活で体調を崩す新人看護師は多いものです。
それを最小限に食い止める努力をするということは、決して低すぎる目標ではありません。
中堅であれば、「先輩が安心して休むために、自分に何ができるか?」ということを軸に考えると良いでしょう。
病棟であれば、リーダー業務をできる看護師が増えると、リーダークラスの看護師にとっては心強いものです。
手術室や外来も考え方は同様で、「先輩はやっているけれど、自分はまだできない業務」をできるようになること目標をすると良いでしょう。
ベテランであれば、リーダー看護師の育成などを挙げると良いでしょう。
時短勤務や育休などの取得を推進することは管理職の役割となるので、それらの休みを心置きなく取得できるような環境作りに関して自分が関与できることを挙げます。
手術室・検査室や外来であれば、誰か一人が抜けても他のスタッフが業務を補完しあえるようなシステム作り(マニュアル整備など)を挙げるもの良いでしょう。
3.医療チームの一員として、健全な病院運営に参画する。
- 新人
- 12月までに新人看護師技術チェックリストを全て終わらせる。
- 1月までに苦手な看護技術をピックアップし、年度末までに経験の機会が設けられるようプリセプターに申し出る。
- 中堅
- 業務改善の一環として、滅菌物の配列方法を見直す。
- 9月までに使用期限の短いものから順次使用できるようなシステムを提案する。
- 10月までに部署会議で周知し、1ヶ月以上の試行期間を設ける。1月までに評価・修正し、2月までに決定する。
- ベテラン
- 残業時間の削減に向けて、業務の効率化を図るための業務遂行シートを作成する。
- 現行では各自がそれぞれに作成している業務遂行シートを病棟内で統一し、急変時や繁忙時もスムーズに他のスタッフの業務をサポートできるようにする。
- 5月末までに残業時間の現状把握のため、2週間以上の期間で日勤者の退勤時間の調査を行う。
- 6月までに病棟統一の業務遂行シートの案を作成し、部署会議でスタッフから意見を募る。
- 9月までに1ヶ月以上の試行期間を設け、評価・修正する。11月までに業務遂行シートを導入する。
- 2月までに、業務遂行シート導入後の残業時間の調査(2週間以上)を行い、残業時間が削減されているか評価する。
「病院運営」と聞くと、スタッフナースは「自分に関与できるような問題ではない」と考えがちですが、大それたことをする必要はありません。身近なことから取り組めば良いのです。
新人であれば、まずはいち早く技術を習得して、戦力として使える人材になることも「病院運営」に貢献することになります。
未熟な技術で物品を無駄遣いすると、それは経営悪化に繋がります。
そのため、「確実な技術を身につける」ということが身近な目標となります。それぞれの病院の教育計画に沿って記載しましょう。
中堅であれば、委員会や係で業務改善に取り組んでいる人もいるでしょう。自分の役割(委員会・係)の範囲内で取り組みやすいことを挙げれば良いでしょう。
この例では「滅菌物の期限切れ」を取り上げましたが、感染対策委員会であれば「手洗いチェックの実施」なども院内感染予防に繋がり、「健全な病院運営」への貢献となります。
ベテラン層では、自部署全体に働きかけるような目標を立てましょう。
「経営の効率化」や「健全な病院運営」という目標に関して、看護師が取り組みやすいテーマとして「残業時間の削減」が挙げられます。
ただ単に「残業時間を削減する」という目標を立ててしまうと、評価が難しく、一スタッフには取り組みにくいテーマになってしまいます。
そのため、この例文では「残業時間の削減」を上位目標として、業務の効率化を図るためのツール(ここでは「業務遂行シート」)の作成を具体的な目標として掲げました。
4.質の高い看護ケアを提供する。
- 新人
- 10月までに血液腫瘍患者の看護に関する文献を5冊以上読む。
- その内容をまとめ、12月までに資料を作成し、プリセプターに提出する。
- 中堅
- 患者の転倒事故防止に関する看護研究を行う。
- 6月までに看護研究計画書を作成し、研究に取り組む。
- 12月に行われる院内看護研究発表会で成果を発表する。
- ベテラン
- 12月までに大腸がんに関する外部の研修・学会に2回以上参加する。
- そこで学んだことを踏まえ、3月までに1回以上病棟内で伝達講習を開催する。
文言は違っても、「看護の質向上」を看護部の目標として掲げている病院は多いです。
これは、自部署で必要な看護技術や知識を向上させれば良いので、比較的目標を立てやすいと思います。
但し、評価しやすい目標を立てることが大切です。
「知識を増やす」「勉強する」「自主学習する」などは評価しにくいので、「文献を〇冊以上読む」「伝達講習を開催する」など、評価しやすい表現にします。
新人の場合は、自部署で多く扱っている疾患に関する看護を勉強することを挙げると良いでしょう。
ここでは血液腫瘍内科に勤務する新人を例に取りました。
中堅であれば、看護研究も始まっていると思います。
看護研究は看護の質を上げるためにやっていることなので、その計画をそのまま目標にしましょう。
また、中堅になると外部の研修や学会に参加する機会も増えると思います。
それらへの参加も目標に取り入れて構いません。
ベテランであれば、外部の研修や学会で新たな知識を仕入れ、それをスタッフに広めることが役割として期待されます。
学会などへの参加は、年間回数が限られてしまうと思うので、あまり無理な回数を目標としないほうが安全です。
目標が明確になると、やりたいことが見えてくる
目標を立てていく中で、自分がやりたい看護や進みたい専門分野が明確になってくる人も多いです。
一方で、なかなか目標を設定することができない・・・やりたいことが明確にならず決まらない・・・という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、新人で目標設定が初めての方も、毎年目標設定していて、マンネリしている方も、キャリアのことを真剣に考えながら、記入するかしないかで、今後の成長に大きく差が出ます。
特に、目標管理シートは普段の仕事の評価になりますので、賞与、ボーナスの額に繋がっていきます。
キャリアコンサルタントには、自分のキャリア相談に加えて、目標に対してどのような成果を出したら良いボーナスをもらうことができるのか、アドバイスを聞くことができます。
また、年齢別の平均ボーナス額や他の病院のボーナス額など、普段気になるけれどなかなか聞くことができないリアルな話を聞くことができます。
職場ではボーナスの話しなど、普段はできる雰囲気ではないと思いますが、コンサルタントであれば、こういった話を具体的にすることが可能です。
キャリアによって異なるボーナス額や給与のことなど、リアルな話しを聞くことで、自分の目標が明確になるということもあります。
目標設定に迷っている方、また、給与など気になる方は、ぜひ一度話を聞いてみることをおすすめします。
目標管理シートの本来の目的を忘れていませんか?
目標管理シート作成の目的が、上司に怒られないための作成に変わってしまっていませんか?
このような気持ちになるのは、当たり前のことではありません。
毎日生き生きと働いている看護師はたくさんいます。
目標管理シートを作らないといけないけれど、正直働くのが辛い・・・毎日が憂鬱・・・
そのような方は今の職場が原因である可能性が高いです。
こうした悩みを解決するためにも環境を変えることを前向きに検討してみましょう。
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