看護師なら誰しも通る道“新人指導係”、そのストレスは中間管理職並み
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看護師業界は、
他の業種では類を見ないほど
教育体系がしっかりと確立されています。
新人指導に当たる看護師は“プリセプター”と称され、
“新人指導”も看護師として
必要なひとつの専門的スキルとされ、
「あの人は指導に向いていないから、
新人指導をやらせるのはやめよう」
という考え方にはなりません。
よって、“人を指導する”ということが
極端に苦手な人でも、
看護師を続ける以上は必ず
“新人指導”をやらなければならないのです。
新人指導というのは、
指導する側にも想像を絶するストレスがかかります。
看護師業界では、
経験4年目くらいで初めて
新人指導に当たることが多いです。
20代中頃というと、
まだまだ人間的にも未熟で、
ストレスの処理も上手にできない人が多い年代です。
決してまだベテランとは言えない
経験4年目程度の看護師が
新人指導に当たる際には、
“指導者の指導者”
というのがつきます。
すると、
新人はなかなか思うように育ってくれないし、
先輩からは、
「まだこんなこともできてないの!?」
と責められることも…。
中間管理職さながらのストレスが
かかってしまうことがあります。
みんな新人のこんな言動にイライラしている!
職種を問わず、
新人にイライラしてしまう人は多いものです。
“イライラする新人の言動”には、
以下のようなものが挙げられます。
1.何度も同じことを聞く。
2.メモを取らない。
3.やる気が感じられない。
4.挨拶ができない。
5.電話を取らない。
6.学生気分が抜けていない。
これを見ると、
「どこも同じだなぁ」
と感じる方も多いのではないでしょうか。
まずは、
「新人に対してイライラしてしまうのは、
自分だけではない!」
ということを知ることが大切です。
中には、
「新人にイライラしてしまう自分は、
指導に向いていないのではないか?」
「自分の器が狭いのだろうか?」
と悩んでしまう方もいますが、
決してそうではないのです。
新人指導の理想と現実、厳しさと優しさの使い分けは想像以上に難しい…
誰しも、
新人指導に当たる前には
「こんな指導者になりたい」
という理想を描いていることでしょう。
それでも、
実際に新人が配属されて、
いざ指導に当たると多くの困難にぶつかります。
“カワイイ新人”を想像していたのに、
物凄くふてぶてしい態度の新人がやってきたり、
注意をしたら鬱陶しい顔をされたり…
ということが続くと、
指導はもとより、
自分の看護師としての自信を
失いかけてしまう人も多いのです。
怒ってばかりでは新人が萎縮してしまい、
必要以上に緊張することでミスに繋がることもあります。
かと言って、
優しいばかりでは主体性が育たず、
“自分から動けない看護師”となってしまいます。
生命の安全を脅かすようなことに対しては
厳しく指導することも必要ですが、
“厳しさ”と“優しさ”を
うまく使いこなすのは非常に難しいことです。
こうした 新人指導のストレスというのは、悩みを第三者に聞いてもらうことで、
考え方が変わったり、解決策が見つかるということもあります。
完全な第三者に相談するなら、
看護師転職サイトのコンサルタントがおすすめです。
コンサルタントは転職を考えている人に限らず、
看護師の悩み相談も受けています。
そもそも、新人へのイライラというのは、
今の働く環境が原因で起こってしまっていることが多いです。
イライラの気持ちというのは、
職場の人間が新人指導にサポーティブでなかったりと、
自分自身いっぱいいっぱいになっている時におこりやすいです。
今の仕事環境でこの先問題がないか、確認の意味も含めて、
一度コンサルタントに相談してみることをおすすめします。
新人看護師にイライラしない教育方法と考え方
思うように指導が進まない時や、
新人と良い関係が構築できない時、
「新人の態度がなっていないからだ!」
と思う方も多いでしょう。
実際、
そのようなこともあるのは事実です。
しかし、
新人の態度を改めるのも、
これまた指導者の役割なのです。
人が変わるのを待つよりも、
自分が変わることの方がずっと簡単です。
新人指導でイライラしないための、
具体的な方法を説明します。
1.目標を共有する
新人指導でイライラするのは、
自分の期待するレベルに新人が達してくれないからです。
このような状況の時に、
自分ばかり焦って新人はマイペースだったりすると、
そのストレスは更に大きくなります。
こういったことをなくすために、
毎日、新人とその日の目標を共有しましょう。
「今日は○○できるようになろう」
「今月中に△△できるようになろう」などと、
具体的な目標を共有します。
“血圧測定”・“滴下の計算”など、
小さなことで良いのです。
具体的であればあるほど良いです。
そして、
目標以外のことに対しては少々目をつぶります。
仕事終わりにはその日の振り返りを行い、
「明日は〇〇するから勉強してきてね」
と、今後の予定も共有します。
こうすることで、
新人も期待に応えようと努力しますし、
指導する側も漠然としたイライラから解放されます。
2.比較しない
他の新人や自分が新人の頃と比較するのは、
絶対にやめましょう。
他人と比較されて良い気分になる人などいません。
「遅れをとっている」
と感じさせるのは新人に劣等感を与え、
「どうせ頑張っても無駄だ」と、
やる気をそぎます。
やる気のない新人を指導することほど
ストレスになることはありません。
3.休憩中はスイッチを入れ替える
仕事中にミスなどをして叱った時でも、
休憩中や仕事帰りには笑顔で普通に話しかけましょう。
そうすることで、新人からも信頼され、
期待に応えようとしてくれます。
また、こういったオン・オフを使い分ける態度は、
上司や他のスタッフからの信頼も得ることに繋がります。
4.愚痴を言う場所を選ぶ
時として、
新人に対する不満や新人指導の大変さを
誰かに話したい時もあるでしょう。
そのような時は、
場所を選ぶことが必要です。
ナースステーションや廊下、
ロッカールームなど、他のスタッフの目に触れる場所で
話すのは絶対にやめましょう。
聞いた新人が傷つくだけでなく、
指導者側の人間性が疑われることもあります。
また、
SNSなどネットを使うのは言語道断です。
何か具体的に改善して欲しい事項や
相談がある場合は、
その旨を上司にきちんと伝え、
建設的な話し合いの場を設けてもらいましょう。
職場で悩みを打ち明けられない時には、
まず、プロのコンサルタントに相談することがおすすめです。
職場にも知られずに、相談することができます。
5.察してもらえると思わない
新人に対して、
伝えたいことはハッキリと言葉にして伝えましょう。
「態度で察してもらおう」
などと考えて不機嫌になったりするのは、
お互いに嫌な思いをする結果になります。
6.責任を持たせる
小さなことで良いので、
一日ひとつは責任を持って仕事する機会を作りましょう。
例えば、
清拭の準備でも良いですし、
何かの処置の片付けでも良いのです。
“任せる”ということが重要です。
そうすることで、
新人にも責任感が芽生え、
学生気分が抜けます。
「こんな自分でも役に立っている」
と感じることで自信にも繋がり、
使命感を持って仕事に取り組むことができるようになります。
指導する側も見られている
実は、新人を指導している姿というのは、
想像以上に多くの人に見られています。
上司や同僚はもちろん、
患者さんや医師もその姿を見ているのです。
“新人”という存在は非常に目立つので、
指導している看護師も、
自ずと注目の的になっているものです。
新人だけでなく、
指導する側もたくさんの人の評価の対象と
なっていることを忘れないようにしましょう。
それでも新人指導のストレスに押し潰されそうになったら…
しかし、どのような方法を取っても、
新人指導のストレスが解消されない人もいるものです。
中には、それが元で精神的に追い詰められ、
体調を崩してしまう看護師がいるのも事実です。
そのような時には、
自分の看護師人生を全うするための手段として、
転職を考えても良いかも知れません。
大学病院や総合病院など、
規模の大きい施設の場合は
新人指導から逃れることは難しいですが、
個人クリニックや健診センターなど、
新人が少ない職場を探すというのも選択肢のひとつです。
自身の性格上、
新人を指導することが
耐え難いストレスとなってしまう人はいるものです。
そのような方は、
責任感が強すぎたり、
完璧主義だったり…と、
看護師としては非常に優れた資質を
持っているケースも多いのです。
それぞれの看護師に合った働き方があります。
自分は新人指導に向いていない…と思ったら、
まずは、キャリアコンサルタントに相談してみましょう。
今の視野が広がり、色々な選択肢が見えてくるはずです。