社会人から看護師が職場でいじめを受けやすい理由|職場選びポイント
ツイート
増え続けている「社会人経験のある看護師」
近年、「社会人経験のある看護師」が増加しています。
高校や大学卒業後に、看護師以外の職業を経てから看護学校・大学などに入学して、免許を取得するのです。
2015年には厚生労働省が「看護師養成所における社会人経験者の受け入れ準備・支援のための指針」を設けています。
そのため、社会人経験のある看護師の増加傾向は、今後も進むものと考えられます。
看護師は、年齢を重ねても、またどの地域でも就職先が見つかりやすく、生活の安定を求めて免許取得を目指す人も多いです。
ある程度の規模の病院で働いている看護師であれば、「最近、社会人経験のある新卒が増えているな」と実感している方も多いと思います。
「社会人経験のある看護師」の苦悩
しかし、現実的には、「社会人経験のある看護師」の離職率は高いようです。
傍から見れば、「遠回りしてまで、せっかく免許を取ったのに」と、もったいないような気がするものですが、それでも彼らが退職に追い込まれてしまうのには、以下の理由があります。
- 体力的な問題。
- 精神的な負担。
- 「病人を相手にする仕事」の現実を受け止めきれない。
- 医療・看護に対する理想と現実のギャップ。
- 人間関係の問題。
社会人経験者ということは、当然ながら年齢も重ねていますので、繁忙度の高い病棟勤務で体力の限界を感じることや、夜勤を含むシフト勤務で体調不良に陥る方も多いです。
体力的な問題に関しては、「仕方ない」という捉え方もできます。
しかし、今回注目したいのは「人間関係の問題」です。
人間関係の問題は、社会人経験の有無に関わらず、社会人なら誰しも抱える問題とも言えますが、「社会人経験のある看護師」がつまずく人間関係の問題には、ある傾向があるようです。
「社会人経験のある看護師」が被りやすい人間関係のトラブルの種類
「社会人経験のある看護師」が職場で被りやすい人間関係のトラブル・いじめには以下のものがあります。
- 陰口を叩かれる。
- 仲間外れ。
- 充分な指導を受けられない。
- 上司からのパワハラ。
これらのトラブル・いじめは、誰しも被害に遭う可能性のあるものですが、中でも「社会人経験のある看護師」はその傾向が強いようです。
「社会人経験のある看護師」がいじめに遭う理由
では、何故「社会人経験のある看護師」はこれらのターゲットとなりやすいのでしょうか?
その理由について考えていきます。
1.「普通の大人」との対等な接し方がわからない。
看護師は、一般の社会人の集団と比較すると、コミュニケーション能力の低い人が多いということが知られています。
多くの患者と接する職業であるため、意外に感じる人もいるかも知れませんが、皆さんの周りにも「患者とはコミュニケーションを取れるが、他職種とコミュニケーションを取るのが苦手」という人がいるのではないでしょうか?
つまり、「患者」=「病人」=「自分より弱い者」とはコミュニケーションを取ることができても、いわゆる「普通の大人」との会話や対等な関係を築くことが苦手な人が多いのです。
そのため、社会人経験者と対等に向き合うことができない人が多いのです。
2.一般社会を知っている人に対して、劣等感を抱いている。
看護師は、非常に狭い世界で生きています。
勤務中は病院の外に出ることができず、仕事で関わる人も医療従事者ばかりです。
そのため、多かれ少なかれ「一般社会を知っている人」に対する憧れがあるのです。
毎日スーツに身を包んで出勤する会社員に憧れたり、お財布を持ってランチに行くOLに憧れています。
そのため、そういった経験を持つ「社会人経験者」に対して「自分の知らない世界を知っている人」という劣等感を抱いてしまいます。
これは、若い看護師に限らず、年齢が上の看護師にも言えることです。
看護師の上司から劣等感を抱かれることもあります。
3.上下関係にこだわり過ぎて「ねじれの関係」に陥る。
看護師業界は、教育体制において厳密な「学年分け」がなされています。
そのため、何事においても「先輩は自分より多くのことを知っている」という固定観念があります。
社会人経験者の新卒は、既存のスタッフから見ると「看護師としての経験は自分のほうが長いが、社会人としては自分よりも多くの経験を積んでいる」という「ねじれ」の現象に陥ってしまうのです。
「○○は私のほうが上手だけれど、△△はあなたのほうが得意ね」という柔軟なものの見方をすることができないのです。
そのため、社会人経験者との接し方がわからず、ひいては「敬語を使うべきか?ため口で良いか?」などという低レベルな問題で悩んだりするのです。
4.単純な嫉妬。
社会人経験者の看護師は、年齢的にも落ち着いた印象を与えるため、新人であっても患者からの信頼が厚いことがあります。
また、社会的スキルや知識・経験が豊富なため、患者のみならず、医師や他職種のスタッフとの会話が弾んだりする場面も見受けられます。
そのため、既存の看護スタッフからは嫉妬の対象となることが少なくありません。
以上のことからもわかる通り、「社会人経験のある看護師」がいじめに遭いやすいメカニズムは、「カワイイ子がいじめられる」「できの良い人がいじめられる」というのと同様、「嫉妬」「妬み」「ひがみ」が原因となっていることがわかります。
「社会人経験のある看護師」が働きやすい職場探し
「社会人経験のある看護師」が働きやすい職場探しをする上では、勤務形態や教育体制などに加えて、職場風土や内部の人間関係にまで注意をする必要があります。
また、最近では「社会人経験者の採用実績あり」という謳い文句で求人を出している病院も多数見受けられますが、「採用実績」と「働きやすさ」は別問題ですので、注意が必要です。
「社会人経験のある看護師」の就職・転職先を探すには、看護師転職サイトを活用することをお勧めします。
看護師転職サイトは、雇用条件などの表面的なことばかりでなく、実際の人間関係や離職率などもしっかりとリサーチしてくれます。
スタッフの年齢層が幅広い病院など、「社会人経験のある看護師」にとって働きやすい環境を突き詰めて探してくれますので、満足いく就職・転職が叶います。
相談・登録は無料です。
働きながらの転職活動も無理なくできますので、是非相談してみましょう。