「クリニックは働きやすい」は本当?クリニックで働く看護師の「実は…」な話。クリニックと病院の違いも説明。
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「クリニック」と「病院」の違い
大学病院などの大規模病院しか勤務経験のない看護師は、その多くが「クリニックは働きやすくて、ラク」と思い込んでいます。
そのため、「結婚したらクリニックで働きたい」「子どもができたらクリニックで働きたい」などと、将来的な勤務先としてクリニックを考えている方も多いです。
「病院」と「クリニック」の違いは、看護師なら学生時代に習っているはずですが、もう一度おさらいしておきましょう。
「病院」とは、20床以上の入院施設を有する医療機関のことです。
「クリニック」は、無床、もしくは19床以下の医療機関のことで、「診療所」「医院」と同義です。
「クリニックは夜勤がない」と勘違いしている方もいますが、「19床」までは病床があることもあるので、夜勤があるクリニックも存在します。
間違いだらけ!大規模病院しか知らない看護師が抱く「クリニック」のイメージ
大学病院・総合病院などの大規模病院でしか働いたことのない看護師が「クリニック」に対して抱くイメージは、「患者目線」でしかありません。
そのため、以下のようなイメージを抱いていることが多いです。
昼休みをしっかり取れる。
街で見かけるクリニックは、午前・午後と診療時間が分かれており、その間が3時間くらいあることも多いです。
また、白衣のままコンビニなどで買い物をしている看護師を見かけることもあります。
そのため、「昼休みをしっかり取れる」ように見えます。
残業が少ない。
たいていの街のクリニックは、受付時間が終わると同時にシャッターが閉まります。
そのため、きっちり定時で仕事が終わるように見えます。
勤務中は身体的にラク。
クリニックは、建物自体が小さいことが多いので、物理的に移動距離が少なく、身体的にラクそうに見えます。
アットホームな雰囲気。
スタッフが少人数であることが多いので、アットホームな雰囲気に見えます。
急変が少ない。
クリニックを受診する患者は軽症でADLが自立しているイメージが強く、急変する患者が少なく見えます。
カレンダー通りに休める。
多くのクリニックは、土日・祝日が休診日となっているため、家族や友人と休みが合わせやすいように見えます。
クリニックの真実「実は…」
上記のようなポジティブなイメージだけでクリニックに転職すると、思わぬ不幸に見舞われることもあります。
クリニックには、小規模ならではのデメリットや、「患者目線」では見えない部分があるのです。
1.休みにくい。
スタッフ数が少ないので、突然の休みに対応できないことが多いです。
そのため、子育て中の看護師にとっては、働きづらいこともあります。
2.人間関係が濃密。
スタッフが少人数で、毎日同じメンバーと言うクリニックも多いです。
ボス的な看護師がいたり、人間関係が複雑なケースも多いです。
3.雑用が多い。
事務作業や受付業務、掃除などを、全て看護師が行うクリニックも多いです。
また、診療開始前の準備や後片付けの時間を「業務」と考えていない院長もおり、残業代が出ないことも多いです。
4.意外と看護研究に熱心。
クリニックの中には、看護研究に熱心なところもあります。
大規模病院の研修や教育体系から逃れたくてクリニックに転職を考える方は、注意が必要です。
5.休憩時間を持て余す。
クリニックによっては、昼休憩が3時間もあるような職場もあります。
中には、自宅に帰って家事をする人などもいるようです。
休憩時間は「勤務時間」に含まれておらず、「半ば拘束されているのに給料が出ない」という職場もあります。
また、それとは逆に、一見「休憩時間」のように見える昼の2~3時間を「予約検査専用枠」にしているクリニックもあります。
そのようなクリニックの場合は、休憩時間がさほど長くなく、忙しいこともあります。
6.給与体系が定まっていない。
クリニックの経営状況によって、給与の額が変更されることも珍しくありません。
また、常勤であってもボーナスや退職金が出ない職場もあります。
また、交通費がかかる人は採用されにくい傾向があるので注意しましょう。
徒歩や自転車で通勤できる近所の人だけを採用して、交通費の負担を減らしているクリニックも多いです。
7.年金・保険料が天引きされない。
大規模病院では、年金や保険料は自動的に給与から天引きされているので、一度もらった給与は全額自分のものとなります。
しかし、個人クリニックの場合、年金・保険料を自分で支払う必要があるケースもあります。
これらについては、事前にしっかりと確認が必要です。
8.院長(その妻)の人柄が重要。
大規模病院と異なり、個人クリニックは、院長のカラーが前面に出ます。
職場の雰囲気が院長の機嫌に左右されたり、院長の好みで採用が決まったりすることも多いです。
また、院長の妻が人事の実権を握っているケースも意外と多く、注意が必要です。
クリニックへの転職で失敗しないためには?
クリニックの「働きやすさ」は、職場による差が非常に大きいと言えます。
クリニックの転職で失敗しないためには、事前に以下のことを確認する必要があります。
1.給与体系
大まかな給与体系、残業のシステムは事前に確認しておきましょう。
院長の人柄によっては、お金に関する質問で心象を悪くする場合もあります。
看護師転職サイトのコンサルタントに間に入ってもらうとスムーズです。
2.実務内容
クリニックの業務内容は、様々です。掃除や受付業務を行うことも珍しくありません。
事前に詳しい業務内容を確認しておくことで、入職後のギャップが少なくなります。
3.保険・年金、福利厚生
職場によって制度が異なるので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
4.人間関係
スタッフが少人数のクリニックは、人間関係が濃密で逃げ場がありません。
看護師転職サイトにリサーチしてもらうこともできます。
クリニックへの転職には看護師転職サイトが便利
クリニックへの転職を考えたら、看護師転職サイトを活用することをおすすめします。
看護師転職サイトは、求人情報を紹介するだけでなく、給与・休暇・福利厚生など、直接聞きづらいことも代わりに確認してくれます。
また、豊富なネットワークで、人間関係などの詳細な内部情報まで事前にリサーチしてくれますので、入職後のギャップが少なくなります。
登録は無料ですので、是非活用しましょう。