主任・リーダー看護師にもできる看護師スタッフの「うつ病予防」|うつ病になりやすい看護師のタイプ&時期
ツイートうつ病は組織全体で取り組む問題だけれども…
近年、「うつ病」という疾患がかなり身近になってきていると感じる人も多いと思います。
「心の風邪」と表現されることもあるように、今では誰でもなる可能性のある疾患として捉えられています。
うつ病などの精神疾患の労災申請の件数も増加傾向にあり、認定される件数も増えています。
労災認定されるケースは、そのほとんどが「対人関係」と「長時間労働」が原因とされます。
うつ病は、個人の問題ではなく、組織全体で取り組む問題となっているのです。
そのため、最近では企業などが組織としての対策を講じています。
主なものとしては、
- うつ病防止策
- 復職の体制作り
などが挙げられます。
看護師の職場も例外ではなく、病院としてスタッフのメンタルヘルスに力を入れています。
しかし、それでもうつ病を発症し、休職や退職に追い込まれてしまう看護師は後を絶ちません。
そんな時、主任・リーダーの立場にある看護師は心を痛めます。
主任・リーダー看護師が大掛かりな防止策や体制作りをするのは難しいですが、日々の業務の中でのちょっとした配慮がスタッフを救うこともあります。
今回は、大掛かりな対策ではなく、主任・リーダー看護師でもできる「気軽にできるうつ病防止策」について解説します。
うつ病になりやすい看護師はこんなタイプ
まず、うつ病になりやすい看護師の性格・タイプを理解しましょう。
一般に、うつ病になりやすい人は「メランコリー型性格」と呼ばれ、以下の特徴があります。
- 秩序を守る。
- 几帳面で仕事熱心。
- 対人関係は律儀で誠実。
- 他社への配慮・気遣いが強い。
- 責任感が強い。
ここからわかるように、うつ病になる看護師というのは、真面目で仕事ができるケースが多いのです。
このような看護師が一人でも休職に追い込まれると、部署としても非常な痛手となります。
このタイプの看護師はうつ病になりやすいという特徴を踏まえ、ちょっと注意して見守りましょう。
看護師特有の「うつになりやすい時期」を押さえておく
看護師として成長していく中で、いくつかの「うつになりやすい時期」があります。
これらの時期に該当する看護師には特に注意を払いましょう。
- 新人時代の1年間
- プリセプターをやっている年
- 異動したての時期
- 初めて委員会を任された年
- リーダー研修・プリセプター研修など、長期に亘る研修期間
- 夜勤が多い時期
- リーダーデビューしたての時期
- 重症患者を受け持っている時
- 長期入院患者を受け持っている時
- パーソナリティに問題のある患者を受け持っている時
- 患者からのクレーム・暴言に接した時
- ミスをした時(勤務時間内の患者の転倒・転落を含む)
- 医師・上司から叱責を受けた時
- 先輩から叱責を受けた時
これらを見ると、「ほぼ全員ではないか?」と思う方もいるでしょう。
そもそも、看護師の仕事というのはストレスが大きいものであり、人によってはちょっとした負荷でも耐えきれない場合があるのです。
大切なのは「早期発見」!ちょっとした変化にも気づいてあげられる上司・先輩になる
うつ病というのは、突然重症化することは稀で、たいていは前兆やサインがあるものです。
それらに早く気付くことによって、休職などの追い込まれる前に悪化を防ぐことができます。
周囲が気付いてあげられるサイン
- 仕事の能率が低下している。
- ミスが増える。
- それまでできていた仕事ができない。
- 集中力がなく、ぼんやりしている。
- イライラしている。
- 感情コントロールができず、仕事中に泣いたりする。
- 食欲が低下(または亢進)している。=短期間で痩せる・太る
- 遅刻・欠勤が増えた。
- 笑わない。
- 自信を喪失している言動がある。(何かの仕事を依頼しても「できそうもない」など)
- 夢中になって働きすぎている。
うつ病の症状・サインは一通りでなく、例えば、仕事の能率が低下するケースもあれば、逆に無我夢中になって働きすぎるケースもあります。
傍からは「最近、とても頑張っている」と見えても、実は自信喪失による焦燥感によるものかも知れないので、「ちょっといつもと違うな」と感じたら、注意して見守りましょう。
スタッフにうつ病のサインが出たら…、看護師の職場に必要な配慮と対策
一般的なうつ病の予防策に加え、看護師の場合は以下の配慮をプラスしましょう。
1.頻繁に声を掛ける。
まずは、頻繁に声を掛けることです。
食事はとれているか?眠れているか?体調に変化はないか?などを聞くのも良いですが、それよりも大切なことは、相談しやすい関係性を作り、すぐに対応できるようにすることです。
また、「気にかけてもらっている」と感じるだけで、精神的に安定するスタッフもいます。
頻繁に声を掛けることで、些細な変化にも気付けるようになります。
2.連勤にしない。
シフト制勤務の場合は、長期間の連勤にしないような配慮をします。
うつ病のサインとして、「仕事の前の日だけ不眠になる」というケースも珍しくなく、連勤が体力的に負担となるためです。
しっかりと休息を取れるだけでも本人の負担は軽減し、悪化する前に対応することができます。
3.夜勤を減らす。
夜勤による体内時計の乱れは、身体面のみならず精神面にも不調を来すことが知られています。
また、看護師の夜勤は受け持ち患者数が多いなど、業務面でも責任が大きく、緊張を強いられる場面が多いです。
そのため、可能な範囲で夜勤を減らす配慮をしましょう。
夜勤を全くなしにしてしまうと本人の自尊心を傷つけることもあるので、本人の希望も尊重しながら、慎重に決めましょう。
4.重症患者の受け持ちを時々外す。長期入院患者の受け持ちは定期的に交替する。
重症患者・長期入院患者を受け持つことの重責から精神面の不調を来すこともあります。
そのため、例え受け持ちであっても、負担が大きい場合は時々受け持ちを外すようにします。
あからさまに外すと、「降ろされた」「失格にされた」と自信を喪失し、ネガティブに受け取ってしまうこともあるので、例えば「回診につく当番の日は外す」「委員会の日は外す」など、他の理由を付け加えてあげると良いでしょう。
また、入院が長期化している患者の場合は、定期的に受け持ち看護師を交替する制度を設けると良いでしょう。
これは、看護師の負担を軽減するだけでなく、違う看護師の目で看護計画を立案することによって、違ったアウトカムが期待できるというメリットもあります。
5.効果があるなら飲み会や食事会を計画する。
研修やリーダーデビューしたての看護師が精神的に参っている時には、飲み会で発散させることも効果的です。
但し、人によっては職場の飲み会を負担に感じることもあるので、その点は個性を見極めてください。
関係性によっては少人数での食事会などが良いこともあります。
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職場の雰囲気や人間関係によっても、精神的な負担は変わります。
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