3年目で初めてのプリセプターに!プリセプティとの関係に悩み、新人看護師の指導の難しさを実感
ツイート個性的なプリセプティ、笑顔を見せない新人Oさんとの出会い
A大学病院では、
4年目の看護師が、
プリセプターになることが多かったのですが、
4B病棟は退職者が多かったこともあり、
私は3年目でプリセプターになることが、
決まりました。
まだ自分の業務にも精一杯の中、
新人指導を命じられたことで、
私は大きなプレッシャーを感じました。
2月から毎週開催された、
「プリセプター研修」に、
私は一度も休まず参加しました。
一つ上の先輩が多かったですが、
中には同期も混じっていました。
そこで私は、
新人指導のノウハウを学びました。
中でも、
「良き指導者である前に、
良き実践者であれ」
という言葉に、
身の引き締まる思いでした。
4月になり、
4B病棟には、
6名の新人看護師が配属されました。
1週間程度シャドウイングを行い、
その様子を見て、師長・主任とで、
プリセプターとプリセプティの組み合わせを、
決めることとなりました。
1週間後、
私を含めプリセプター6名が、
カンファレンスルームに集められ、
それぞれのプリセプターを発表されました。
私のプリセプティになったのは、
Oさんでした。
この時、
私は正直、
「ハズレを引いた…」
と思いました。
Oさんは、
6名の新人看護師の中でも、
ちょっと個性的なタイプだったのです。
極度に緊張してしまうタイプのようで、
いつもカチコチになって、
先輩の説明を聞いていました。
Oさんの笑顔を見たことがあるスタッフは、
一人もいませんでした。
プリセプターの理想と現実
私のプリセプティになった、
新人看護師Oさんは、
ちょっと声を掛けただけでも「はいっっ」と、
すぐさま「気を付け」の姿勢になり、
まるで私が叱っているかのような、
構図になりました。
表情はいつも硬く、
私に質問する時にも、
どもってしまうほどです。
医師からは、
冗談半分に、
「もっと優しくしてあげないと」
「新人さんをいじめちゃダメだよ」
などと言われました。
私はOさんに、
「そんなに緊張しないで。
もっとリラックスしていていいんだよ」
と何度も声を掛けましたが、
全く効果がありませんでした。
私は、
自分が新人時代に、
プリセプターのS先輩をとても信頼し、
尊敬していました。
いずれは私も、
S先輩のようなプリセプターに、
なりたいと思っていました。
だからこそ、
自分がプリセプターになった時には、
プリセプティに愛情を持って、
優しく接しようと思っていたのです。
しかし、
Oさんとの関わりの中では、
私のそんな思いも、
空回りしてしまいました。
他のプリセプターとプリセプティが、
仲良さそうに話しているのを見かけると、
羨ましく思いました。
「私のプリセプティがOさんでなければ、
私はとても理想的なプリセプターになれるのに…」
などと考えてしまうこともありました。
「プリセプターを辞めたい」思い切って師長に相談した結果…
Oさんとの関係が上手く築けず、
私は試行錯誤していました。
他のプリセプターは、
どんどんプリセプティと良い関係を築いて、
休憩時間なども仲良さそうに話しています。
私とOさんだけが、
取り残されたような気がしていました。
次第に、
Oさんのプリセプターであることが、
ストレスになってきて、
私もOさんの前では、
笑えなくなってきました。
自分でも、
Oさんに対しては、
口調がキツくなってしまうのを、
感じることがありました。
Oさんにキツい口調で注意した後に、
自己嫌悪に陥ることも度々ありました。
私は、
Oさんのプリセプターを続けていく自信が、
なくなっていきました。
年度初めの目標面接の時、
私は思い切って、
師長に、
「Oさんのプリセプターを続ける自信がない。
できることなら辞めたいと思っている」
と打ち明けました。
私は怒られることも覚悟の上でした。
しかし意外にも、
師長は私の思いを否定することなく、
静かに聞いてくれました。
「そうねえ、Oさんは、
すごく緊張してしまうタイプみたいね」
そう言った師長は、
私の悩みに既に、
気付いていたかのようでした。
「でもね、
Oさんは、あなたのことを凄く、
信頼しているみたいよ」
師長が言うには、
先日、新人全員と、
個別に面談をした際、
Oさんがそのように言っていたらしいのです。
私は意外に思いました。
Oさんも私のことを、
良く思っていないのだと、
勝手に思い込んでいたからです。
「Oさんは、あなたの前だと、
特に緊張してしまうと言っていましたよ。
新人看護師にとってプリセプターというのは、
それだけ特別な存在なんだと思うわよ」
師長からそう言われて、
胸につかえていたものが、
スッと落ちた気がしました。
何かが解決したわけではありませんが、
Oさんの気持ちを師長を介して、
知ることができたことで、
それまでモヤモヤしていた不快な感情が、
一気に解毒されたような気がしました。
師長は、
「Oさんには“毎朝、
鏡の前で笑顔を作る練習をしてから、
出勤しなさい”と伝えたのよ」
と話しました。
翌日もOさんは、
相変わらずの、
緊張した硬い表情でしたが、
私の気持ちはだいぶ楽になりました。
「思い通りに進まなくても、
気楽にやっていこう」と、
一歩引いて考えることが、
できるようになっていました。
こうして少しずつ、
プリセプターとしての自信を、
つけ始めた私でしたが、
「プリセプターデビュー」の次は、
「リーダーデビュー」が待っていたのでした。
新人指導に疲れたら
業務が多岐に亘る、
看護師の新人指導というのは、
他の職業と比べても、
負担が大きいものです。
周囲のサポートなくしてはやっていけません。
新人指導で悩みがあったら、
まずは上司に相談して、
解決の糸口をみつけましょう。
もし、
今の職場の新人指導の在り方に、
疑問を抱いたら、
転職も検討してみましょう。
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今すぐの転職を考えていなくても、
相談に応じてくれます。
経験豊富な専任コンサルタントが、
親身になって相談に乗ってくれますので、
安心して相談してみましょう。