看護師の夜勤業務の見直し方法!夜勤の「きつい」「つらい」「しんどい」を減らす
ツイートほとんどの看護師は「夜勤がきつい」と感じている
看護師が働き方を見直すひとつのきっかけとして、「夜勤がきつい」というものがあります。
年齢的・体力的なことを理由として、夜勤のない働き方を考える看護師は多いものです。
「年齢的な理由」と聞くと、かなりの年輩者を想像するかも知れませんが、多くの看護師が「夜勤がきつくなってきた」と最初に感じるのは25歳頃だそうです。
25歳というと、ストレートに大学を出た看護師でも3年目くらいでしょうか。
3年目以降の看護師は皆、「年齢」を感じながら夜勤をやっていることになります。
夜勤は「残業ナシ」が大前提
近年、日本看護協会から「看護職の夜勤・交代勤務に関するガイドライン」が発表され、夜勤の拘束時間は13時間以内とすることが望ましいとの見解が示されました。
しかしながら、このガイドラインに法的拘束力はなく、未だに「18時間夜勤」をやっている病院もあります。
ただでさえ人間の生理的なリズムに反する夜勤は、身体的な負担が大きいものです。
仮眠時間があるとは言え、仕事中であるためぐっすりと眠れるわけでもなく、そこへ更に残業を課せられると、当然のように体は悲鳴を上げます。
また、急変などで休憩が取れないことも珍しくありません。特にリーダークラスの看護師は、自分が休憩に入っている間も、常に「ミスが起きていないか?」「トラブルが起きていないか?」と神経を過敏にせざるを得なくなるのです。
日勤ではある程度の残業は仕方ないにしても、夜勤は「残業ナシ」が大前提であるべきです。
夜勤の「忙しさ」には波がある
夜勤の繁忙度はどのように変化しているでしょうか?
一般的な病棟の夜勤(2交代)を例にとって考えてみましょう。
- 16:00
日勤からの引継ぎ、患者への挨拶。
- 17:30
夕食前の血糖測定、食前薬配薬、食事準備のため、「忙しさ」の波がやってくる。
- 18:00
配膳、食事介助、配薬、下膳
- 19:00
検温、イブニングケア。この時間から20:00頃にかけて「忙しさ」はピークに達する。
- 20:30
眠前薬配薬
- 21:00
消灯。この時間は点滴交換となることが多く、22:00頃まで「忙しさ」は続く。
- 23:00
多くの患者が入眠するため一段落着くが、せん妄の患者がいると、この頃から「忙しさ」が増す。落ち着いていれば記録をする時間となる。
- 1:00
交代で仮眠・休憩に入る、比較的落ち着いている時間となることが多い。
- 4:00
点滴や朝の薬の準備、検査・手術入室準備などを始める。
- 6:00
起床時間。当日の検査・手術を控えている患者がいれば、術前準備が始まる。徐々に「忙しさ」が増す。
- 7:00
検温。ほとんどの患者が起床し、ナースコールが増えるため、朝の「忙しさ」のピークに達する。血糖測定、食前薬配薬、食事準備を行う。病院によっては、この時間に採血を行う。
- 8:00
食事介助。日勤が出勤してくるため、「忙しさ」は徐々に緩やかになる。
- 9:00
日勤に引継ぎ、勤務終了となる。
看護師の眠気は4時がピーク
夜勤の「忙しさ」は、数回のピークがあります。
夜勤をしている看護師の眠気・疲れは「午前4時」にピークを迎えると言われています。
4時以降は「忙しさ」が増すため、眠気は吹き飛び、その後は疲れを引きずりながらも自分の体に鞭を打って業務をこなしているのです。
そのため、午前4時以降には、可能な限り集中力を必要とする業務や細かい業務をするのは避けた方が良いと言われています。
具体的には、内服薬の準備や点滴の準備などをこの時間に行うと、眠気や疲れによるミスを誘発しやすいため、可能な限り避けるべきです。
夜勤業務を見直そう!古い慣習・悪しき風習を見直す
看護師の業務は、基本的に日勤が最も忙しくなります。
日勤帯は、手術や検査、保清ケアなどが行われるため、業務量が最も多い勤務帯です。
現在では、夜勤が心身に及ぼす負担について広く知られるようになり、夜勤者の負担を減らすために業務を見直す病院も増えてきました。
しかし、一昔前までは、「日勤者が働きやすくするために夜勤者が準備をしておく」という考え方がまかり通っていました。
その時代の名残が以下の業務です。
- 翌日の手術・検査入室の書類・物品準備
- 救急カートの点検
- 包交車の点検・補充
- 翌日の点滴準備・ミキシング
- 必要性のない検温
- 朝の採血
今でもこれらが夜勤者の業務となっている病院・施設は、「古い慣習」が残っていると言えます。
一方で、絶対に夜勤でやらなければならない業務もあります。
以下の業務です。
- イブニングケア
- 時間が決まっている投薬
- 点滴管理
- 体位変換・トイレ介助・排泄介助
- 食事介助
夜勤者の負担を減らすために、「絶対に夜勤でやらなければならない業務」以外は夜勤者にやらせるべきではありません。
「夜勤の業務改善」の具体策
夜勤の業務改善に取り組む場合は、以下のポイントを参考にすると良いでしょう。
1.「今、必要なことだけ」にする。
「日勤でもできること」をやらせないことです。
「治療に関わること」「時間が決まっていること」「患者の苦痛を伴うもの」以外の業務は、日勤の業務に行こうできるはずです。
夜勤は、急変などがあると病棟スタッフ総出で対応せざるをえない状況もありますので、常にイレギュラーな事象にも対応できるように、業務に余裕を持たせておきましょう。
2.無駄な動きをさせない。
夜勤帯で使うことが予測される物品などは、あらかじめ日勤帯で準備しておきましょう。
例えば、呼吸状態が不安定な患者がいたら、酸素マスクを準備しておいたり、必要があればMEなどに伝えて人工呼吸器をすぐにセッティングできるようにしておきます。
また、状態が不安定な患者については、日勤帯で病室の移動なども検討しておきましょう。
そうすることで、人数の少ない夜勤帯に病室移動や物品を取りに行く手間をなくすことができます。
「夜勤が大変」はスタッフナースが声を上げないと伝わらない!
師長や主任は、スタッフの夜勤業務の大変さをわかっているようでわかっていないものです。
師長や主任は、夜勤をやっていると言っても管理者としての夜勤であるため、スタッフナースと業務内容が全く異なるからです。
「夜勤業務がおかしい!」「見直して欲しい!」と思ったら、スタッフナースが声を上げないと何も始まりません。
もちろん、師長・主任は、そのようなスタッフの負担に気付くべきですが、スタッフナースも自ら声を上げるべきなのです。
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