まだまだ少数派の男性看護師、気苦労は絶えない!?
ツイート
昔に比べて男性看護師が増えてきたとは言え、
女性が圧倒的多数の看護師業界において、
やはり男性はまだまだ少数派です。
男性看護師は、
その多くが学生時代から“少数派”として
様々な制限を受け、
悩みや葛藤を感じながらやってきています。
女性が多い職場では、
性差を感じざるを得ない場面に直面することもあります。
価値観の違いや、
普段の会話に入っていけない、
何となく肩身が狭い…など、
業務時間内から休憩時間、
職場の飲み会に至るまで、
様々な場面で気苦労が絶えないものです。
また、将来的に家族を養うことなどを考えると、
必然的に昇進・昇給にも敏感になります。
そういった意味で、
女性看護師よりも職場選びには慎重になってしまうのも、
男性看護師ならではの悩みと言えるでしょう。
語りつくされた“男性看護師に期待される役割”、では本人のメリットは?
職場側からすると、
男性看護師の存在は非常にメリットがあります。
一般的に、男性看護師に期待される役割には、
以下のようなものがあります。
1.体力・腕力
体格の良い患者さんの移送や、
不穏患者の対応、暴力患者への対応など、
腕力を必要とする場面で重宝されることが多いです。
また、女性看護師に比べて夜勤回数を
多くされてしまうケースもあるようです。
2.女性の職場におけるムードメーカー・潤滑油的役割
本人は無意識でも、ギスギスしがちな女性の職場で、
人間関係の潤滑油としての役割を果たしていることがあります。
女性同士だと感情的になりやすい場面でも、
男性の目があることで、自然と感情をコントロールできることもあるのです。
3.男性患者への対応
特に、若い男性患者さんの保清ケアなどの際、
女性看護師よりもスムーズに受け入れてもらえることがあります。
上記の理由から、
女性看護師の間では
「男性看護師がいる職場は働きやすい」
などと言われることもあります。
しかし、これらのメリットは、
“職場”や“女性看護師”にとってのメリットであり、
男性看護師がその恩恵を受けているかは疑問です。
男性看護師が抱える悩み
男性看護師は、女性社会とも言える看護業界の中で、
様々な悩みを抱えながら奮闘しています。
1.重労働を任される
“男性”というだけで、
否応なく力仕事を任されることが多いです。
自分自身も期待されている役割を
遂行しようと努力してしまうので、
腰を痛めたりする男性看護師も多いです。
2.女性患者にケアを拒まれることがある
保清ケアなどを拒まれてしまうことがあります。
最初は落ち込んだり戸惑ったりするようですが、
徐々に
「女性として当然の反応である」
と受け入れられる男性看護師が多いようです。
3.基本的なスキルが女性と異なる
例えば、エンゼルメイクや剃毛、洗髪など、
女性よりも練習を必要とする看護技術があります。
4.配属部署が限られる職場がある
病院によっては、
男性看護師が配属される部署(診療科)が限られている場合があり、
希望の分野で働けないこともあります。
特に、男性看護師の採用歴が浅い病院に
見られる傾向です。
5.“機械に強い”と思われがち
“メカ音痴”が多い看護師業界。
“男性=機械に強い”という思い込みから、
医療機器の操作やPC操作に関して頼られることが多いようです。
6.目立ってしまう
女性が多い職場の中で、
良くも悪くも男性の存在が目立ってしまうことがあります。
7.相談相手・役割モデルがいない
男性看護師が少ない職場の場合、
相談相手がいなかったり、
目指したい看護師像を描きにくいことがあります。
8.夜勤や仮眠の際に気を遣う
女性看護師と同じ仮眠室を使用することに気を遣う
男性看護師も多いようです。
中には、仮眠室を使用せず、
処置室のベッドで休んでいる人もいるようです。
9.医師との関係
特に、同年代の医師との接し方に戸惑ってしまうケースが多いようです。
それでも自分で自分の道を切り拓いてきた先輩男性看護師たち
特に経験年数の浅い男性看護師は、
こういった悩みに苦しんでいることが多いです。
しかし、もっともっと男性看護師が少なかった時代から、
自分の道を切り開いてきた先輩男性看護師もたくさんいます。
先輩たちは、
どのようにして自分のポジションを確立していったのでしょうか?
- 1.資格取得・スキルアップ
認定や専門看護師の資格を取ったり、
大学院に進学し、
何かひとつのことを突き詰めることで、
“男性だから”ではなく、“スキルを持った看護師”
として頼られる存在になることができます。
- 2.経験を積む
様々な経験を積むことで、“男性目線での意見”を
求められることもあります。
男性が少ないと
「あまり主張が強いと孤立してしまうのでは…」
という懸念から、
会議等での発言を控えてしまう男性看護師も多いようですが
、男性的な意見を取り入れることで
業務が活性化する職場もあります。
“少数派”をメリットに変えられる男性看護師が生き残る!
良くも悪くも目立ってしまう“少数派”の男性看護師。
それなら、
目立ってしまうことをメリットに変えられる看護師になりましょう。
例えば、
資格取得や研究発表などの実績を積むと、
その活躍はより強いインパクトとなり、
職場でも評価の対象となります。
また、業務改善などの際は、
男性目線での建設的な意見を提案すると、
男性看護師が単なるムードメーカーではなく、
看護業界に必要な人材であるということが認識されるでしょう。
男性看護師が働きやすい職場とは?
きれいごと抜きにすると、
まだまだ看護業界は、
男性にとって働きにくいということです。
実際、個人病院やクリニックなどでは、
未だに男性看護師を採用していないところもあります。
男性看護師を採用する職場は増えたものの、
“働きやすさ”となると別問題。
では、男性看護師にとって働きやすい職場とは
どのようなものでしょうか?
- 1.男性看護師の割合が多い
全国的に男性看護師の割合は全体の約6%なので、
それ以上の割合で男性看護師がいる職場というのは、
が多いことになります。
男性看護師が多いということは、
男性にとっても働きやすい職場であり、
男性看護師のポジションが確立されているということ。
相談相手や頼りになる先輩に出会えるチャンスも多いと言えるでしょう。
- 2.男性看護師の管理職がいる
近年は、男性の看護部長も珍しくありません。
男性の管理職がいる職場も、
やはり男性看護師のポジションが
確立されているということになり、
同性の管理職がいるというのは
心強いものです。
役割モデルとして位置付けても良いでしょう。
- 3.(新人の場合)男性のプリセプターをつけてくれる
新人の男性看護師の入職にあたり、
プリセプターを男性とするように配慮してくれる職場もあります。
仕事のみならず、
新人時代は何かと頼りになるプリセプター。
男性看護師にしかわからない悩みも
一緒に解決してくれる先輩がいると心強いです。
これらの条件を満たす職場を自力で探すのは、
意外と大変かも知れません。
このような内部情報も含めた職場環境のリサーチは、
看護師転職サイトを利用するのがおすすめです。
看護師専門の転職コンサルタントが、
男性看護師が働きやすい職場探しをお手伝いしてくれます。