看護師の中途採用の給与は?実は厳しい現実…転職で給料アップに成功する方法
ツイートそもそも給与ってどうやって決まるの?
転職して新しい職場での初任給は、その後の昇給・賞与・退職金に大きな影響を与えるスタートラインとなります。
新卒の初任給というのは経験値がゼロからのスタートなのでわかりやすいのですが、中途採用の場合、
「これまでの経験は加味されるのか?」
「新人と同じ扱いになるのか?」
といった疑問が湧きます。
まず、給与はどうやって決まるのか?ということを復習しておきましょう。
給与は、その病院・施設の就業規則・給与規定・給与表などによって定められています。
給与の中で最も大きなウエイトを占めるのが「基本給」です。
基本給の決め方は職場によって様々ですが、以下の2通りの方法に大別されます。
1.属人給
年齢・勤続年数・学歴などを用いる決め方。「年功給」などがこれに当たる。
2.仕事給
仕事や役割そのものの価値を用いた決め方。「職務給」「職能給」「業績給」などがこれに当たる。
基本給は、超過勤務手当や賞与・退職金の算定に用いられるもので、他の諸手当よりも重要な意味を持ちます。
看護師の場合、夜勤手当などの諸手当の割合が高く、基本給の割合が低いことが特徴的です。
そのため、給与アップを狙う時に「夜勤手当」の額を重要視してしまう方もいますが、給与総額が同じなら、生涯賃金で比較した場合、基本給が高い方が優位になります。
つまり、長く勤めるなら「諸手当」が高い職場ではなく、「基本給」が高い職場に就職した方が、結果的にもらえるお金が多くなるということです。
中途採用看護師の給与の現実
看護師の転職では、ほとんどの人が「一時的に給料が下がる」という経験をしています。
入職して間もない頃は、夜勤がなかったり残業が少なかったりするので、諸手当が少なく、額面上少なくなる傾向にあるのです。
日本看護協会「2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査」よると、中途採用者の賃金処遇については、やや厳しいとも思える現状が明らかになっています。
「中途採用者の賃金処遇は看護師の経験年数を全て評価する」と回答した病院は46.0%と、半数にも満たないのです。
「経験の一部を評価する」と回答した病院が48.6%、「全く評価しない」という病院も1.9%あります。
参考資料
日本看護協会「2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書」
https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/2014/chingin-2012.pdf
つまり、どんなに経験豊富なベテラン看護師でも、転職すると新人と同じ給与になってしまうおそれがあるということです。
看護師の平均転職回数が約3回と言われているので、多くの看護師が転職によって給料が下がる経験をしているということになります。
中途採用看護師をきちんと評価してくれる職場はないの?
お金の話になると中途採用者には厳しい現実が待っているようですが、中には中途採用看護師の賃金処遇について工夫をし、それまでの経験をきちんと評価してくれる病院・施設も存在します。
まず、採用時の基本給を「仮決定」とし、一定期間後に能力評価を行い、等級・基本給を「本決定」するというケースです。
“一定期間”というのは、半年を目安とする病院が多いようです。
クリニカルラダーに基づく能力評価を行う病院が多いです。
また、「経験年数」以外に査定の対象となる項目を定めているケースもあります。
主な査定項目としては、「以前の職場で経験した役職・職位」「取得した資格」が挙げられます。
プリセプターの経験や、委員会業務の従事についても査定対象となる職場もあります。
転職するなら、これまでの頑張りをきちんと評価してくれる職場を選びたいものですね。
転職で給料アップに成功する秘訣
上記の通り、中途採用看護師の給料の現実はシビアです。
職場選びや転職の方法を間違えると、給料ダウンに繋がってしまう場合も少なくありません。
転職で給料アップに成功する秘訣について説明しましょう。
1.基本給が高いところに転職する
先述の通り、基本給は様々な手当や賞与・退職金の算定に用いられる重要なもので、給料に占める割合が最も大きいものです。基本給が高い職場ほど、結果的にもらえる金額も多くなります。
基本給については、職場の就業規則や給与表などに明示されているので、事前に確認することができます。
2.これまでの看護師経験を評価してくれる職場に転職する
それまでの経験を評価するか否かは、それぞれの病院・施設の判断によります。
この点について、きちんと情報収集しておく必要があります。
中途採用者の賃金処遇について再評価制度がある職場の場合は、後のトラブルを防ぐために、いつどのような方法で再評価がなされるのか、事前に確認しておきましょう。
3.これまでの経験を活かせる分野に転職する
全く未経験の分野に転職するよりも、経験のある診療科や病院業種の方が評価されやすいです。
4.即戦力として活躍できる職場に転職する
中途採用の場合、人手不足の職場への転職は「即戦力」としての活躍を求められていることも多いです。
即戦力として見込まれると、厚待遇での転職も可能になります。
5.これまでの経験や自分のスキルを充分にアピールできる履歴書&面接対策を講じる
いくら経験やスキルを持っていても、それをアピールできなければ意味がありません。
雇用側にそれらをアピールする場は、「履歴書」と「面接」だけです。ここでしっかりアピールできるように対策を講じる必要があります。
転職で給料アップに成功するには
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