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看護師働き方診断

看護師の前残業を美談とする職場か?問題とする職場か?勤務時間前の時間外労働という院内の隠された無賃労働の実態

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看護師の「前残業」は当たり前!?1ヶ月に6万6000円分もタダ働きしている現状

病棟勤務の場合、始業前に情報収集をする慣習のある病院があります。

 

 

勤務時間開始前に時間外労働をする、いわゆる「前残業」です。

 

 

これは「勤務時間のスタートと同時に責任が発生する」という考え方で、早い人だと1時間前、遅くとも30分前には出勤している看護師が多いのが現状です。

 

 

夏季休暇や連休明けの日は、更に早い時間に出勤することもあるでしょう。

 

 

日本医療労働組合連合会の発表によると、「医療従事者の6割近くが始業前に時間外勤務としている」という現状が明らかになっています。

 

 

そして、7割がこれを時間外勤務として申請していない、「サービス前残業」としていることがわかりました。

 

 

1ヶ月あたりの前残業の平均時間は9.9時間で、試算では月平均6万6000円以上の残業代が未払いとなっていることになります。

 

 

前残業について時間外手当を請求しない理由として、最も多いのは「請求できない雰囲気がある」が25.3%です。

 

 

更に、「請求できると思わなかった」という人も10%いました。

 

 

看護管理者への調査でも、「前残業を時間外勤務として扱っていない」という回答が68.2%で、「時間外勤務として扱っている」の11.5%を大きく上回っています。

 

 

看護師業界では、「始業前の情報収集は労働時間に含まない」という不文律が長年に亘り存在しているのです。

 

 

参考資料
日本看護協会 協会ニュース「今すぐ見直そう?看護師の長時間勤務」https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/jikan/pdf/kaeru.pdf(2017.1.16アクセス)

 

 


 

 

看護師の前残業は、“美談”か?“問題”か?

「各々の看護師がより良い看護を提供するために、自主的に早く出勤している」と言えば、聞こえは良いでしょう。

 

 

確かに、新人看護師などが早めに出勤して、その日の業務に関わるわからないことを事前に確認しておくことは必要です。

 

 

しかし、前残業が常態化している多くの病院では、そもそも情報収集の時間が設けられていないのが現状です。

 

 

仮に設けられていても、その時間では不充分ということです。

 

 

そのため、看護師の経験や能力に関係なく、その日の業務に必要な情報収集をするために早く出勤しなければならないのです。

 

 

病棟の始業時刻は、早いところだと8時です。情報収集のために始業1時間前に出勤するとなると、7時に出勤することになります。

 

 

更に、前残業が常態化している職場は、終業時刻後の残業も常態化していることが多いです。

 

 

これでは、体が持ちません。

 

 

このような現状を踏まえて、前残業をなくす取り組みをしている病院もあります。

 

 

病棟の業務スケジュールを見直し、情報収集や引継ぎに充分な時間を設けたり、前残業に対してもきっちりと時間外勤務手当を支給するのです。

 

 

しかし、「前残業はあくまで自主的なものである」と、前残業を見て見ぬふりをしている職場もまだまだ多いのが現状です。

 

 

「ミスをしないようにしっかり情報収集しよう」と、真摯に仕事に向き合う看護師の姿勢に甘んじて、前残業を“美談”にすることで、前残業分の賃金未払いをうやむやにしているのです。

 

 

前残業が常態化している職場の特徴

前残業が常態化している職場は、以下のような特徴があります。

 

 

1.始業時刻=申し送り開始時刻である

始業時刻に申し送りや朝礼が始まると、それまでに情報収集しておく必要があるため、前残業をせざるを得なくなります。

 

 

2.業務スケジュールに「情報取集」の時間が設けられていない

そもそも病棟の業務スケジュールに「情報収集」という時間が設けられていないことがあります。

 

 

また、設けられていても充分ではないことがあります。

 

 

3.「情報収集」の方法が煩雑で、時間がかかる

看護記録や医師の指示、点滴指示伝票や処方箋などがバラバラに管理されており、情報収集の効率が悪い職場というのがあります。

 

 

4.夜勤と日勤の勤務重複時間が短い

夜勤と日勤の勤務重複時間は1時間程度が理想です。

 

 

しかし、30分以下や重複時間がないような職場の場合、引継ぎはそれぞれが残業・前残業で行うことになります。

 

 

つまり、前残業が常態化している職場のほとんどが、そもそも病棟の業務スケジュールに問題があるのです。

 

 

前残業をなくすためには…

まず、前残業の実態に問題意識を持つことが大切です。

 

 

「前残業は当たり前」という考えから、「前残業は問題である」という意識に変えましょう。

 

 

職場全体に「前残業は当たり前」という考え方が浸透していると、「前残業はおかしい」と言い出した人は「やる気がない人」「不真面目な人」といった見られ方をしてしまうこともあります。

 

 

ですから、職場全体の風土や傾向を確認しながら、少しずつ仲間を増やして業務改善に取り組むのが良いでしょう。

 

 

上司と個別に面談などがある場合は、そこで問題提起しても良いかも知れません。

 

 

業務スケジュールを見直し、それでも前残業がゼロにできない場合は、きちんと時間外勤務手当が支給されるように働きかけましょう。

 

 

前残業は当たり前ではない!前残業がない職場は増えている

近年、看護師の労働環境改善などが叫ばれており、前残業も問題視する職場は増えています。

 

 

様々な業務改善や工夫によって、前残業の撤廃に成功している病院もあるのです。

 

 

今の職場で前残業が常態化している方は、一度それが本来どのくらいの残業代になるのか、試算してみると良いでしょう。

 

 

多くの方が、数万円分の前残業をしている実態が明らかになります。

 

 

看護師転職サイトでは、前残業の実態なども事前に情報提供してくれます。

 

 

前残業のない職場、あってもきちんと手当が支給される職場など、前残業にきちんと向き合ってくれる職場は存在するのです。

 

 

より良い看護を提供するためにやっている看護師の前残業。

 

 

この努力を正当に評価してくれる職場を探してみましょう。

 

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