「私のプリセプティだけ成長が遅いかも…」と思ったら新人看護師の学習パターンを把握して効果的な指導をしよう!
ツイート秋は新人格差が最も大きい時期!
4月に入職した新卒看護師も、職場に馴染んでくるこの時期。
緊張感も少しほぐれて、本人も「看護師の仲間入り」をしたような気分になり、意欲的に仕事に取り組むことができるようになる時期です。
しかし、この時期になると、成長の個人差が著しくなるのも事実です。
もともとの学力や要領の善し悪しに加え、タイミングによる経験値の違いも出てきます。
1年も経てば帳尻が合ってくるのですが、入職から半年くらいの秋頃は、最も「新人の格差」が大きい時期と言えます。
その中で、後れを取っている新人は焦りを感じたり、逆にやる気をそがれたりします。
同時に、その新人を担当しているプリセプターも焦りを感じます。
場合によっては、本人以上にプリセプターが焦ってしまうこともあるでしょう。
しかし、人に学習させるというのは、自分で学習する以上に大変なことです。
思う通りにいかずにイライラしてしまうこともあります。
プリセプティの「学習パターン」を把握して、効果的な指導法を見つけていきましょう。
誰彼構わず「レポート書いてきて!」って言ってない?
私もかつて新人時代に、よく先輩から「○○について調べてきて、明日見せてね」「レポート書いてきてね」などと指導を受けたものです。
指導する立場にある看護師は、決まり文句のように、ことあるごとに新人看護師に「レポート書いてきて」と言っているようです。
しかし、この「レポート」という学習方法、本当に役に立っているのでしょうか?
「レポートを書く」という学習方法が功を奏するのは、全体の25%程度です。
残りの75%の人は、レポートを書かせても、「書く」という作業に没頭してしまい、内容はあまり頭に入っていないのです。
人が何かを学習するときには、4つのパターンがあります。
今回は、その4つの「学習パターン」について解説します。
「優位感覚」と4つの「学習パターン」
学生時代から、勉強の仕方には個性があったと思います。
きちんとノートを取るタイプの人もいれば、ノートなんて全然取っていないのに成績が良い人もいます。
また、教科書がマーカーだらけになる人やノートがカラフルな人もいます。
これらの違いは、「学習パターン」の違いによるものです。
つまり、どのような学習法が効果的かということは、個々によって異なるのです。
効果的な「学習パターン」は、その人の「優位感覚」によって変わります。
「優位感覚」とは、「耳がいい」とか「鼻が利く」といった、その人が敏感な感覚のことです。
4つの「学習パターン」の特徴と、効果的な学習法
1.聴覚系
「聞いて覚える」ということが得意なタイプです。
講義に参加することが効果的です。
また、人との会話の中で意味を理解することもあります。
このタイプは、本を読んでも声に出さないと頭に入らず、レポートを書くことはほぼ無意味です。
また、騒音のある場所では集中できないのも特徴です。
指導は口頭で行うと良いでしょう。
何かを勉強してきて欲しい時は、レポートなどの紙媒体にせず、「自分で調べたことを、私に説明してくれる?」と、口頭で聞くと良いでしょう。
動画サイトなども効果的です。
2.言語系
他の物事と関連付けながら覚えるのが得意なタイプです。
暗記ものなどは語呂合わせを作って覚えたりするタイプです。
このタイプは、自分なりのまとめ方をすると理解が深まるので、レポートを書かせたり、発表の場を与えることで効果的に学習できます。
文章を書くのが得意なのも特徴です。
患者向けのパンフレット作りなども得意分野です。
理屈っぽい一面もあり、何かを覚える時には「理由」をセットにすると覚えやすいです。
看護技術も、まずは理論から入るとスムーズです。新しい技術を覚える際には、最初にマニュアルに目を通させましょう。
3.感覚系
体験やロールプレイングが効果的なタイプです。
文章を読むときに指でなぞる人は、このタイプが多いです。
器用な人が多く、看護技術も人の手技を見学するだけで、ある程度習得できます。
ただ、理屈に弱いので、理論そっちのけで技術ばかり先走ってしまうこともあります。
時折、「それは何のためにするんだっけ?」「ここで注意することは何だっけ?」などと、理屈を考えながら行動できるように導くと良いでしょう。
また、このタイプは集中力が長続きしないので、こまめに休憩を挟むと効率よく学習できます。
4.視覚系
見た目(体形や髪型など)やベッドの位置で患者を把握しているタイプで、教科書や資料をマーカーラインだらけにしている人はこのタイプである可能性が高いです。
集中力が低下しやすいタイプなので、忘れてはいけないことは必ずメモを取らせましょう。
学習方法としては、図やチャートを見るのが効果的です。
自分でまとめるのも効果的なので、レポートを書かせるのも良いでしょう。
また、関連図を書かせると非常に効果的です。
看護計画の立案に慣れるまでは、関連図を書く習慣をつけさせるとよいでしょう。
看護技術を覚える時も、自分で図や絵を描くことで理解が深まります。
うまくできない看護技術があれば、自分なりの方法・手順をレポートにまとめさせると良いでしょう。
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