看護師で夢はアロマサロン開業!アロマセラピー学びにイギリスへ留学。帰国後病院でアロマ研究会立上アロマ病棟で勤務するNさん
ツイート「アロマセラピー」とは、様々な精油の芳香を用いて、リラクゼーションやストレス解消などを目的とする療法であり、日本ではリラクゼーションサロンなどで用いられていることが多いです。
アラビアやヨーロッパでは、アロマセラピーが伝統医学・民間療法のひとつとして確立しており、アロマの先進国とも言えます。
10数年前から、日本の医療業界でも、アロマセラピーの効果が注目されるようになりました。
医学的な効能としては疑問視する声も多く、医療現場でアロマセラピーを取り入れることについては賛否両論ありますが、リラクゼーションや睡眠導入効果などについては多くの看護研究が発表されており、その注目度は高いようです。
看護師は女性が多いことから、アロマセラピーに興味を持つ看護師も多く、「アロマ外来」を立ち上げる病院なども見られます。
今回は、アロマの本場・イギリスに2年間留学し、アロマセラピーの資格を取得。
帰国後、私立大学病院で「アロマ研究会」の立ち上げに関わり、現在は「アロマ病棟」で勤務するNさんにお話を伺います。
Nさんがアロマセラピーに興味を持ったのはいつ頃ですか?
7年前くらいです。
10数年前に、看護師の間でもアロマが話題となった時期がありましたが、その頃は正直「うさん臭い」と思っていました。
ちょうどその頃、病棟から外来に異動になり、土日休みの生活になったので、土日を使って何か習い事を始めようと思い、マッサージの学校に通いました。
その学校でアロマの講義があり、それをきっかけにアロマに興味を持ち始めました。
イギリス留学まではどのようなことをされましたか?
マッサージの学校を卒業してすぐにアロマの学校に入学しました。
これも外来勤務と並行して土日で通いました。
アロマの学校は2年間で、本格的に勉強を進めるうちにどんどんハマってしまい、イギリスに留学したいと考えるようになりました。
私は何のコネもなかったので、留学を斡旋する会社に登録して、留学先を紹介してもらいました。
アロマの学校が終わるタイミングで留学したいと思い、職場に退職の意向を告げましたが、引き止められてしまい、私もそれに流されてもう1年勤務することにしてしまいました。
でも、その間、英会話教室などに通う時間ができたので、結果的には良かったと思います。
3月末で退職し、9月に渡航することになりました。半年間は、短期のバイトでわずかながら収入を得ていました。
休職して留学するという選択肢は考えましたか?
勤務していた職場からは、「2年以内なら休職できるから、籍を置いたまま行ってはどうか?」と言われました。
でも、その職場でアロマの資格が活かせるとも思えませんでしたし、「もしかしたらイギリスでの生活が楽しくなって、留学期間を延長するかも知れない」という気持ちもあったので、退職を選びました。
留学先のイギリスではどのように過ごされましたか?
私は、1年間ロンドンに滞在しました。ビザの関係で、途中一時帰国しました。
アロマの学校に通ったのですが、私が通っていたのは夜のコースだったので、昼間は語学学校に通いました。もともと英語はそんなに得意ではなかったので。
アロマの学校は日本人がほとんどいなくて、ちょっと不安でしたが、英語力が上達する機会になったと思います。海外からの留学生は何人かいました。
イギリスは、様々なアロマの協会の本部が置かれているので、アロマを学ぶために留学してくる人は多いそうです。
国際認定のディプロマを取得して、約1年で帰国しました。
ロンドンは生活しやすかったです。
帰国後の就職活動はどのようにしましたか?
9月に帰国したのですが、ちょっとゆっくりしたいという気持ちがあったので、4月から就職しようと思いました。
それまでの間は、看護師転職サイトに登録して、時々単発のバイトをしました。
4月からの就職先は自分で探すつもりでいたのですが、登録している転職サイトのコンサルタントの方が、「アロマの看護研究をしている病院がある」ということを教えてくださったので、とりあえず見学だけ行ってみることにしました。
もともと、アロマの資格を病院で活かすつもりはなく、将来的にサロンを開業する目的で取得したのですが、看護師としてアロマの資格を活かす働き方もあることを知りました。
それで、後学のためにもこの病院への就職を決めました。
入職後、アロマの資格をどのように活かしたのですか?
私が入職した時は、看護部内に「アロマ同好会」というのがあって、月に1回集まって勉強会をしていました。
私もその「アロマ同好会」に入りました。これは、興味がある人が自主的に集まるような会で、本当に“同好会”という感じでした。
私が見学に来た時の看護研究も、この同好会がやっていたものでした。
他のスタッフは、看護師向けの講習会などに参加してアロマの勉強をしているということでした。
海外留学経験があるのは私だけだったので、勉強会の講師をやって欲しいという声がかかり、同好会の中で何度か講師を務めました。
同好会では事例検討も行うようになり、不眠に悩む患者さんのケアや長期入院している切迫早産の妊婦さんのリラクゼーションケアを提案し、当該病棟の看護師が実践することも増えました。
そのうちに看護部長から、看護師全体に向けて活動報告をして欲しいと言われ、同好会の活動を報告しました。
それを機にアロマに興味を持つスタッフが増え、看護部長の号令で私と数人のスタッフを中心に、「アロマ研究会」を立ち上げることになりました。
名称が「研究会」に変わってからは、委員会のような位置づけになり、各部署から必ず1名以上参加するようになりました。定期開催日は、勤務時間としても扱われるようになりました。
「アロマ研究会」が発足した次の年度に病棟改編があり、緩和ケアの病床を増やすことになりました。その際、緩和ケア病棟のひとつとして「アロマ病棟」というのを実験的に作ることになりました。
私は「アロマ病棟立ち上げワーキンググループ」のメンバーとして指名され、現在勤務する「アロマ病棟」に関わるようになりました。
Nさんの勤務する「アロマ病棟」とはどのようなものですか?
私立大学病院の中にある緩和ケア病棟のひとつです。アロマを使って、睡眠に悩む患者さんのリラクゼーションや、長期入院している方のストレス緩和を図ることを目的としています。
「緩和ケア」というとターミナルの患者さんをイメージされる方が多いですが、私の勤務しているアロマ病棟は、ターミナルの患者さんだけでなく、慢性疾患の患者さんや、入院が長期化した妊婦さんのリラクゼーションを目的とすることもあります。
ただ、全ての患者さんにアロマを使うわけではありません。本来は「緩和ケア病棟」なので。
Nさんの今後のビジョンを教えてください。
資金を貯めたら、自分でサロンを開業したいという夢は変わっていません。
ただ、それに向けて、今の「アロマ病棟」での勤務はとても意味のあるものだと思っていますので、もうしばらくはこの職場での勤務を続けたいと思っています。
海外での留学経験をうまく活かすことができない看護師も多いと聞きますが、Nさんがアロマの資格を活かすことができた秘訣は何だと思いますか?
「資格選び」と「職場選び」だと思います。
留学から帰国後の就職活動では、海外で何をやってきたのか?ということを必ず問われます。
そこが曖昧だと留学期間はただの「ブランク」になってしまうので、説得力のある資格を取ることは、それを証明するための方法として有効だと思います。
アロマに関しては、日本ではまだまだ理解が不充分な分野なので、病院によっては全く必要ない資格だと思われてしまいます。
そんな中で今の職場に出会えたことは、本当に運が良かったと思います。
もともと、就職に関しては転職サイトを頼る予定ではなかったのですが、この職場を紹介してくださったことにとても感謝しています。
海外留学後の就職活動のまとめ
以上のインタビューから、海外留学後の就職活動のポイントをまとめてみました。
- 海外で学んできたことを証明するディプロマや資格があると、説得力が増す。
- 看護師転職サイトで幅広く情報収集することで、様々な資格や経験を活かせる職場に出会えるチャンスが広がる。
- 職場によっては、留学期間を「ブランク」と捉えられてしまうこともある。
- 留学経験を活かしたいのであれば、積極的に活動に加わることも必要。
Nさんのように看護師転職サイトに登録しておくと、専任コンサルタントとの関係性の中で、思いがけず好条件の職場に出会えることもあります。
看護師転職サイトには、経験豊富でヒアリング力の高いコンサルタントがいますので、ちょっとしたことでも気軽に相談してみましょう。