辞めたいのに辞めれない…看護師が退職するのは楽じゃない!?看護師が円満退職するための1カ年計画
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あなたの周りにも「退職したいのにできない人」はいませんか?
退職というのは、法的には自由にできるものです。
終身雇用が当たり前でなくなった現代では、大半の人が「退職」を経験しており、ドラマなどでも「今日限りで退職させていただきます!」と、退職届を渡して職場を去るシーンが度々描かれます。
しかし、看護師業界で「退職」というのは、そうそう簡単なものではないのです。
看護師は、就職活動ではあまり苦労を経験していない人がほとんどですが、退職においては、かなり苦労している人が多いのが現状です。
同じ職場内にも、毎年「退職する」と宣言して、結局続けている人がいるのではないでしょうか?
もちろん、無理矢理に退職を決行することもできなくはありません。
しかし、意外と狭い看護師業界。転職した先の上司が、前の職場の同期と知り合い…などということも珍しくありません。
また、転職先で、前の職場の同僚と一緒になるということもよく聞かれます。
そういう意味でも、看護師にとって「円満退職」は必要不可欠なのです。
「退職できない人」が退職できない理由
では、「退職できない人」は、何故退職できないのでしょうか?
よくある理由について解説します。
1.退職するという意思が弱い
そもそも、退職の意思が曖昧であることが多いです。「絶対に辞めよう」と思っておらず、「辞められたらラッキー」くらいの気持ちで退職の話し合いに臨むと、必ず失敗します。
また、「退職すると言ったのに、結局辞めずに続ける」ということを数回繰り返してしまうと、退職の意思すら疑われ、職場内での信用も失います
2.“引き止め”対策が甘い
看護師が退職の意向を伝えると、必ず一度は上司の“引き止め”に遭います。
この対策が甘いと、上司の言葉巧みな“引き止め”に、「自分はこんなにも職場に必要とされているのか!」と、逆に感動すら覚えてしまう人もいます。
3.責任感・正義感が強すぎる
看護師の職場というのは、総じて人手不足であることが多いです。
「退職したいけど、自分が辞めたらこの病棟はまわらなくなるかも知れない」「他のスタッフの負担が増えるかも知れない」「あの委員会の仕事は自分しかできない」…など、
責任感が強く、必要以上に周囲に気を遣ってしまうタイプの人は「退職できない」というループにはまりがちです。
4.無計画
退職の意向を伝える時期が遅すぎたり、今後の計画を立てていないが故に、結局退職が叶わないケースです。
退職者の数は、翌年の新採用の人数にも関わってくるため、職場によって退職の意向を伝える時期が決められています。
これを過ぎると、退職の意向を伝えても聞き入れてもらえないことがあります。
また、退職後のことを全く考えておらず、「よく考えたら、退職したら経済的に厳しくなる」と、退職を踏みとどまるケースも多いです。
入寮している方は、住居を探すことろから始める必要があります。
看護師の退職には1カ年計画で臨む必要がある!
看護師の退職は、かなり綿密に計画を立てて臨む必要があります。
安全な方法として、1カ年計画をお勧めします。
本気で退職するなら、1年前から計画的に準備を進めましょう。
今回は、年度末での退職を想定した計画をご紹介します。
1.前年度の3月にやるべきこと
3月になると、次年度の体制についての話し合いが持たれます。ここで重要なのは、委員会です。
職場によっては、委員会などが2年任期であることがあります。
可能な限り任期途中での退職は避けたいので、任期が長い委員会やワーキンググループ、プロジェクトへの参加は避けるようにしましょう。
とは言っても、この時期に退職を言い出すのは早計です。この時点では、「もしかしたら進学するかも知れない」などと、濁した言い方で対処しましょう。
2.夏までにやるべきこと
大学病院などでは、退職の意向を7月頃までに伝えるのが一般的です。
遅くとも、9月までには上司に伝えておくのが良いでしょう。
目標面接などがあれば、その場を利用して意向を伝えるのも良いです。
出来るだけ落ち着いたところで伝えるようにしましょう。
この際、必ず“引き止め”に遭うことを想定して、対策を考えておきましょう。
退職の理由は、職場の不満などを言うのは避け、「新しい分野(今の病院では経験できない診療科の看護など)に興味を持った」「進学したい」「(既婚者の場合)転居する」など、上司に「それなら仕方ない」と思わせられるだけの材料を準備しましょう。
3.秋までにやるべきこと
退職の意向を受け入れてもらえたら、そろそろ次年度の自分の生活・仕事について考えておきましょう。
もし、大学病院や総合病院などへの転職を考えているのであれば、この時期までに採用試験を受ける必要があります。
もし、一定期間休みたいという場合であれば、それなりの蓄えが必要です。いざその時が来て困ることがないように、金銭面も確認しておきましょう。
無職となっても、住民税などを支払うことになります(前年度の収入額に応じて支払います)。
看護師の場合、働いている時はそれなりの収入があるので、意外と住民税の額が大きいので注意してください。
4.1月までにやるべきこと
入寮者は、4月からの住む場所を見つけましょう。
1〜3月は、新生活に向けて不動産屋も繁忙期に入ります。
良い物件を探すなら、早めの行動が必要です。
職場のスタッフにも、そろそろ退職する旨を報告しましょう。
5.2月までにやるべきこと
仕事の引継ぎの準備をしましょう。委員会などの資料をまとめておきます。
後任者が決まっている場合は、直接申し送りもしましょう。
受け持ち患者さんも引継ぐことになりますので、サマリーなどを作成しておきましょう。
6.3月までにやるべきこと
引継ぎが無事に済んでいるか最終確認しましょう。
病棟のPCなどにデータを保存している場合は、全て消去してください。ロッカーの荷物なども徐々に持ち帰りましょう。
貸与品(白衣・ロッカーキー・カードキーなど)は退職時に返却するので、揃っているか確認しておきましょう。
事務手続きはかなり複雑なので、もし職場で退職者説明会があれば参加しましょう。
ない場合は個別に手続きを行うことになります。書類不備などがあると、退職後に職場に行く羽目になりますので、余裕を持って、早めに取り掛かりましょう。
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看護師の退職というのは、就職よりも大変と言えるかも知れません。
特に初めての退職の場合、わからないことだらけだと思います。
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