看護師の国家試験浪人(国試浪人)は就職できる?就活の時期&職場選びのポイントを解説

国試の難易度は上がっている?
看護師国家試験の合格率は、年度によって多少の変動はあるものの、概ね90%前後です。
昔に比べて、国家試験の難易度は上がっているようです。
昔は、不合格の多くは「名前を書き忘れる」とか「マークミス」などのケアレスミスでしたが、近年は問題の難易度が上がっていることもあり、純粋な勉強不足で不合格となってしまうケースも多いです。
特に、近年の傾向としては、「長文読解」と「5択問題」が増えており、「文章読解力」「冷静な判断力」「持続する集中力」がない人には厳しいものとなってきています。
国試に落ちると、内定は取り消される
最近は多くの病院で、内定の時に「国試に不合格だった場合、内定を辞退します」という旨の誓約書を書かされます。
国試に落ちると「看護師」ではなくなってしまうので、当然のことながら病院としては看護師としての採用ができなくなります。
中には、国試に落ちた人を「看護助手」として採用し、翌年に国試に合格したら「看護師」として改めて採用してくれるケースもあります。
そのようなケースでは、就職のことは心配いらないので、精神的には落ち着いた環境で勉強できるかも知れません。
国試に落ちた人たちの様々な生活パターン
国試に落ちてしまうと、1年間の計画を大幅に変更することになります。
就職を機に上京を予定していた方は地元に残ることになることもあるでしょう。
また、結婚などの予定を先延ばしにする方もいるかも知れません。
それ以外でも、予定していた収入がなくなるため、多かれ少なかれ予定とは異なる生活を余儀なくされます。
国試浪人となった看護師の卵たちは、以下のような生活パターンになることが多いです。
- 「無職」となり、実家で勉強中心の生活を送る。
- 予備校に通う。
- アルバイトをしながら勉強する。
- 「看護助手」として働きながら勉強する。
国試浪人生の就活事情〜就活の時期は?
上記のように「看護助手」として働いているケースを除いては、国試浪人をしながら就職活動をしなければなりません。
国試浪人生の就活は、現役生の就活とは事情が異なります。
まず、前年度内定を取り消しになってしまった病院に就職するのは難しいです。稀に採用に至るケースもありますが、これはレアケースだと心得ておきましょう。
看護学校が病院の附属機関だった場合は、国試浪人してもその病院に就職できることが多いようです。
しかし、入職すると、かつての同級生は「先輩」になります。その点で「プライドが許さない」「気まずい」というような方は、他で就職先を探した方が良いでしょう。
また、そのような環境の病院に就職すると、周囲の人たちからいつまでも「国試に落ちた人」という目で見られることもあります。
国試浪人生の就活の時期には、あまり決まったルールがありません。
ただ、国試浪人生の就活は、現役生よりはやや厳しいということは念頭に置いておきましょう。
そのため、どうしても就職したい病院がある場合は、早めの5月頃から就活を始めましょう。
現役生は、夏までに就職を決める方が多いです。
それでも募集人数に満たない病院は、秋以降も新卒の求人を出しているので、就職先に強いこだわりがなければ、秋頃に行うことも可能です。
秋を過ぎると、国試の勉強に本腰を入れる時期となるので、秋までに就職が決まっていると、勉強に集中できるでしょう。
国試浪人生の就職先選びのポイント
国試浪人生の就活は、現役生よりも押さえておかなければならないポイントは多いですが、それさえ気を付ければ必ず就職先は見つかります。
国試浪人経験者の看護師というのは、意外と多いです。しかし、皆、他の看護師と同じように生き生きと働いています。
その点は心配せずに、自信を持って就職活動をしましょう。
1.国試浪人生を採用した実績のある職場を選ぶ
病院の中には、残念ながら「国試浪人生」の採用に消極的なところもあります。
そのような職場の採用試験を受けに行くのは、無駄足になるだけでなく、自分自身を精神的に追い詰めてしまうことにもなります。
就職を希望する病院にそのような傾向があった場合は、残念ですが「縁がなかった」と割り切りましょう。
「本当の自分をきちんと評価してくれる病院がある!」と自信を持って、就職活動をしましょう。
国試浪人生の採用実績は、問い合わせても教えてもらえないことが多いです。
看護師転職サイトなどを活用して、情報収集しましょう。
2.知り合いのいない職場を選ぶのも良い
国試を落ちたことに引け目を感じている方は、就職を機に知り合いのいない環境に身を置くのも良いでしょう。
新しい環境で新しい人間関係を構築するのです。
そうすることで「国試に落ちた」という過去を忘れることができるでしょう。
3.年齢層が幅広い職場を選ぶ
新採用者を全て「ストレート」の人で固めている職場は、年齢がひとつ上というだけでも、ちょっと目立ってしまいます。
スタッフや新採用者の年齢層が幅広い職場を選ぶと、様々な価値観の人がおり、国試浪人経験者にとっては比較的働きやすい環境に身を置くことができます。
4.内定後のスケジュールに注意する
病院や施設によっては、採用日(4月1日)の前から研修を行ったり、白衣の採寸などで就職先に出向く用事が多いところもあります。
そのような職場を選んでしまうと、試験勉強に集中できなくなることも考えられるので、内定後のスケジュールがあまりにも過密な職場には注意しましょう。
5.看護助手としての「スカウト」は、よく考えてから返事をする
人手不足の職場では、国試浪人生が就職の面接に来ると、「試験までの間、看護助手として働かないか?」と声を掛けられることもあります。
雇用条件などをしっかりと確認して、納得した上で働く分には構いませんが、「断ると心象を悪くするのではないか?」などの不安から安請け合いするのはやめましょう。
今の一番の目標は国試に合格することです。
しっかりと勉強時間を確保できることを最優先にしましょう。
国試浪人生の就活には看護師転職サイトが強い味方になってくれる!
看護師転職サイトは就職のサポートをしてくれます。
国試浪人生の採用実績など、自分では調べるのが難しい情報も、適格な情報提供をしてくれます。
病院見学や採用試験・面接の日程調整も代行してくれますので、勉強に集中しながらの就職活動が可能です。
専任コンサルタントが親身になって相談に乗ってくれますので、安心して就職活動ができます。
国試の勉強に使えるコンテンツも豊富なので、是非活用しましょう。
