大学病院の看護師の評判は?私立大学病院で働く消化器外科病棟のAさんにインタビュー
ツイート看護師の職場は幅広く、様々な選択肢があります。
自分に経験のない業態の職場というのは、全くの未知の世界!
そこで、様々な業態の職場に勤務する看護師さんに、それぞれの職場の特徴から人間関係・年収など、気になることまでお話を伺いたいと思います。
今回は、私立大学病院に勤務して7年目のAさんにお話を伺います。
まず、Aさんの勤務する病院の概要を紹介して頂けますか?
都内の私立大学病院で、本院ではなく分院です。分院は首都圏に3つあり、そのうちのひとつです。
病床数は400床で、大学病院としてはそこまで大きくない規模だと思います。
病棟は9つあります。主要な診療科は揃っていますが、難しい症例や珍しい症例の場合は、本院に転院となることもあります。
就職先にこの病院を選んだ理由は何ですか?
私は、新卒で就職しました。
新卒で就職する病院では、バランス良く多くの経験をしたかったので、診療科の多い大学病院にしようと決めていました。
教育体制が整っていることも、就職先の条件として考えていました。就職を機に地方から上京してきたので、寮があることも条件でした。
この病院では、新卒で就職する看護師の半数くらいが附属の看護学校の卒業生でしたが、私も含め半数は他から採用試験を受けた人でした。
4月の入職はほとんどが新卒でしたが、数名だけ既卒者もいました。
附属の学校がある病院は、私のように外から入って来た者は浮いてしまうのではないかと不安でしたが、ここは人数が半々ということもあるのか、附属の学校の卒業生ともすぐに打ち解けられました。
実際に働いてみて、教育体制はいかがでしたか?
私の周りは地元の総合病院に就職した人が多かったので、その友人たちと比べると、最初の頃は研修やレポートが多いと感じました。
「東京の病院は大変だね」などと言われました。
1年目の頃は、病棟内でも学生に近い扱いをされていたように思います。
毎週のように新人研修があり、レポート提出がありました。
でも、研修の日は同期と一緒に食事に行ったりできるので、それは楽しみでもありました。
- 2年目は全体での研修は減りましたが、事例報告のレポートが多かったように思います。
- 3年目の時に、新人を指導するための研修を受けました。その頃から、「学生」ではなく、「スタッフの一員」として扱ってもらえていると感じられるようになりました。
- 4年目には学生指導の研修を受け、5年目にはリーダー研修を受けました。
- 5年目の研修までは、ほぼ必須でした。退職予定者以外は、全員研修を受けることになっていました。強制とは言われないものの、断れない雰囲気がありました。
- 6年目からは、選択制で研修を選べるようになりました。
新人の頃は、研修やレポートを面倒だと感じていましたが、今となれば研修内容は充実していたと思います。
同期と足並みを揃えて成長していけるので、取り残されるようなことがなく、安心して働けています。
Aさんは現在7年目ですが、同期の離職率はいかがですか?
4年目に入る年に、半数くらいに減りました。
辞めた同期のほとんどは、「研修が多い」という理由でした。
附属の学校の卒業生は、「奨学金の返済期間が終わったから」という人が多かったです。
今は、3分の1くらいになっています。
異動はありましたか?また、希望は通りましたか?
就職した時は、血液内科病棟に配属されました。
内科を希望していたので、希望が通ったのだと思います。
この病院では、全員2年目に異動をさせられます。
その時は、希望を聞かれませんでした。
様々な経験を積むためだそうです。
異動先で2年くらい経った頃に、異動の希望を聞かれました。元の部署に戻ることもできると言われました。
私は、消化器外科病棟での仕事を覚え始めて、楽しくなってきていたので、異動は希望しませんでした。
同期の中には異動を希望した人もいて、比較的希望通りに配属されています。
休みや勤務希望は通りますか?
病棟ごとに勤務希望に関するルールがあり、師長によって異なるようです。
私の病棟では、休みは月に2回まで希望日を指定することができます。
概ね通りますが、複数のスタッフと重なると、スタッフ同士で相談させられます。
たいてい、若いスタッフが辞退してしまうことが多いです。
あと、4〜6月の間は、なるべく勤務希望をしないように言われます。
どこの病院もそうだと思いますが、新人がまだ独り立ちしていない時期なので、かなり厳しいシフトになります。
お給料には満足していますか?
毎月の手取りは、30万円に届くか届かないかという感じです。
夜勤が多い月は30万円を超えることもありますが、30万円に満たないことが多いです。
他の私立大学病院に勤務している友人に比べると、ちょっと安いようですが、ボーナスは比較的多い方なので、年収で見るとどの病院も大差ないのかなぁと思っています。
ボーナスは、夏と冬合わせて100万円くらいになります。
そこまでの不満は感じていませんが、サービス残業が多いです。
委員会の業務や、病棟の勉強会の資料作りは、自宅に持ち帰ってやっています。
でも、先輩方もそうやって頑張っているので、こんなものかなぁと思っています。
スタッフの年齢構成や人間関係はいかがですか?
20代の看護師が圧倒的に多いです。
30代の看護師はチラホラいる程度で、30代半ばを過ぎた人は、ほとんど管理職の人です。
師長と主任は定期的に異動があるので、2~3年で変わります。
師長は病棟にいないことが多いので、新人の頃はほとんど関わることがありませんでしたが、5年目くらいから委員会をやるようになって、よく話すようになりました。
主任はいつも病棟にいるので、スタッフとの接点が多いです。
師長・主任は、怖い人はたまにいますが、意地悪な感じの人はいないと思います。
スタッフはほとんど女性ですが、サバサバした感じの人が多いので、やりやすいです。
年に数回異動の時期があるので、人の入れ替わりが激しいです。
その方が、人間関係という点では良いように感じます。
ちょっと苦手な人がいても、「ずっと一緒ではない」と思えるので。
医師との関係も同じです。
医師も系列の病院を定期的に異動するので、嫌な医師がいても「ずっと一緒ではない」と思えます。
この病院に就職して良かったと思うことは、どんなことですか?
大学病院なので、教育体制が整っているということが一番です。
特に、新卒で就職するところは、教育体制が重要だと思うので。
院内研修でも、結構有名な講師の先生が来てくれたりするので、お得だと感じることもあります。
外で研修を受けたら何万円もする研修が、自分の職場で、しかも無料で受けられるのは有難いです。
製薬会社主催の勉強会などもあります。
また、同年代が多いので働きやすいです。
あと、色々な病気の患者さんや新しい治療を知ることができることです。
幅広く様々な経験を積めるので、新卒で大学病院を選んで良かったと思っています。
今後もこの病院での勤務を続けたいですか?
今すぐに転職は考えていませんが、将来的に子どもを産んだりしたら、続けるのは難しいと思っています。
先輩の中には育児中の人もいますが、実家が近くだったり親と同居していたり、サポートを得られる人がほとんどです。
時短を使っている人もいますが、結局残業になってしまったり、勤務後の院内研修があったりして、あまり早く帰っている気がしません。
師長や主任は独身の人が多いので、そういうことも影響しているのかも知れません。
大学病院は、バリバリ仕事をするにはやりがいのある職場だと思います。
私立大学病院のまとめ
以上のインタビューから、私立大学病院の特徴をまとめてみました。
- 様々な経験・キャリアをバランス良く積める。
- やりがいがある。
- 異動など、人の動きが多いので、人間関係は比較的楽である。
- 若年層の看護師に向いている。
- 教育体制が整っている。
- 同期との親睦が深まる。
- 配属先などの希望は尊重されやすい。
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