もうプリセプター辞めたい! 看護師の“困った新人”対処法
ツイート新人指導者の悩みは尽きない
どの業界でも、新年度になると“困った新人”の話題で持ち切りとなります。
看護師業界では、多くの病院がプリセプター制度を採用しています。
そのため、自分のプリセプティが“困った新人”だと、毎日が憂鬱になります。
人は自分の思い通りには動かないもの
そう頭ではわかっているものの、実際に自分の思うようにならない新人の姿にイライラしてしまったり、時に感情的になってしまったりする指導者はたくさんいます。
今回は、“困った新人”のタイプ別に、対処法を考えていきましょう。
どの業界でも、こんな“困った新人”に悩んでいるのです
1.メモを取らない
全職種を対象としたアンケートで「新人のどんな行動にイライラするか?」という質問に対する回答の第1位が「メモを取らない」というものでした。
看護師業界のみならず、どの会社でも「新人がメモを取らない」ということに困っているようです。
最近の学校の授業では、ノートを取らせずに教科書の余白にメモ書きをさせたり、先生が作成したプリントを配られるケースが増えており、真っ新なノートに一から自分で書き込んでいくという作業自体に馴染みがないということもあるのです。
大学などでは、先生が板書したものをスマホのカメラで撮影する学生も多く、日頃から「メモを取る」という習慣がないのです。
メモを取らない新人に対しては、まずストレートに「メモを取ってね」と言いましょう。
メモを取り慣れていない世代の新人には、メモを取るタイミングもわかりません。最初のうちは「ここはメモ取ってね」と、具体的に指示してあげましょう。
「一度しか言わないよ」と言うのも効果的です。繰り返していくうちに、メモを取る習慣ができてきます。
それでもなかなかメモを取る習慣ができない新人には、わざと一度では覚えきれない複雑な指示を出してみましょう。
例えば、「〇号室の○○さんをレントゲン、△号室の△△さんをMRI、×号室の××さんを心電図に案内してね」のように、メモをつらざるを得ない状況を作ります。
2.同じことを何度も聞く
同じことを何度も聞く新人には「この前も教えたのに聞いてなかったの?」
と腹を立ててしまう人も多いですが、実はこのタイプの新人には2種類あり、対応が異なるので注意しましょう。
ひとつは、「忘れてしまう」というタイプ。
このタイプには、2度目までは優しく教えてあげて、3度目は「ちゃんとメモ取ってるの?」と、自分でも忘れないような工夫をするよう指導しましょう。
もうひとつのタイプは、「慎重派」です。
「本当に自分の理解したやり方で合ってるのか確認しておきたい」という不安から、同じことを何度も聞いてしまうのです。
このタイプは、ミスすることや怒られることに必要以上に警戒している人が多く、“控えめな優等生”に多いタイプです。
強い口調で注意したりするとかえって萎縮してしまい逆効果なので、「違っていたら言うから、まずはあなたの思う方法でやってみて」と、“見守っているから大丈夫”というメッセージを伝えてやらせてみましょう。
本人が希望すれば、勤務後などにシミュレーションや練習の機会を作るのも効果的です。このタイプはとても真面目なので、参考にする本などを教えてあげるのも良いです。
3.仕事が遅い
新人が患者を受け持ち始めると、指導者の気苦労は更に大きくなります。
「たった1人しか受け持っていないのに、全然記録が終わらない!」という愚痴はあちこちで聞かれます。
新人の仕事が終わらないと自分も帰れないので、仕事が遅い新人を抱える指導者は頭が痛いものです。
このような新人に対しては、こまめに時間に区切りをつけて、時間管理を習慣づけましょう。
また、疲れや緊張などから、記録に入る時間には集中力が切れていることも少なくありません。
「〇時になったら、途中でもいいから1回見せて」と、途中経過を報告させましょう。
その上で、「〇時までには終わらせようね」と、目標の時間を定めましょう。
また、記録している新人に話しかけてしまう先輩看護師や医師がいるものです。
新人のタイプによっては、そういうスタッフや医師を邪険に扱えず、仕事を後回しにして会話の輪に加わってしまうことが多々あります。
そのような場合には、話しかける先輩や医師からシャットアウトする方法を考えましょう。
可能であれば、「仕事が終わるまで話かけないでください」と注意したり、別室で記録させるなど、工夫しましょう。
それでも改善しない場合や以上の方法が難しい時は、上司に相談し、受け持ち患者の人数や選定に関して、対策を一緒に考えてもらいましょう。
4.だらしない
身だしなみ、生活態度…だらしない人というのはどこにでも存在します。
入職直後は本人も相当気を付けているでしょうが、慣れてくるに従って、徐々に元の姿が顔を出します。
身だしなみについて注意する時は、“その場で”“具体的に”というのが原則です。
本人は良かれと思ってやっていることもあるので、何故それがいけないのか?ということをきちんと説明して直させましょう。
仕事の仕方についてもだらしない人はいます。
「使ったものを片づけない」「最後の1個を使ったのに報告しない」などです。
このようなケースに対しては、それによってもたらされる最悪の結果について話します。
例えば、「物品が足りないと、緊急時に生命に関わる」ということを具体的に、ちょっと脅かすくらいに伝えましょう。
だらしないタイプというのは、その反面、打たれ強いという長所を持っていることもあります。
こちらも口が酸っぱくなるくらい、気付いたことを注意していきましょう。
5.自信満々
学生時代に優等生だったタイプに多く、プライドが高いケースです。
社会人経験を経て看護師になった人にも、しばしば見られます。
このタイプの新人には、抽象的な指摘は効果がないので、何か間違ったことをしていたら、現場を押さえて事実を指摘しましょう。
また、できていないことをさり気なくフォローすると、「先輩の力も必要なのだ」ということに気付かせることができます。
また、このタイプは否定されると一気に潰れてしまうこともあるので、指導の仕方には注意が必要です。
頭ごなしに否定せず、「ここをこうすればもっと良かった」という言い方がベストです。
やる気は充分にあるタイプなので、うまく育てると職場にとってもプラスになります。
新人指導に疲れ切ってしまったら…
とは言え、新人看護師にも様々なタイプがいます。
どうしても新人指導がストレスになってしまったら、新人指導の負担が少ない職場への転職を考えてみるのも良いかも知れません。
看護師転職サイトでは、スタッフの年齢構成や人間関係など、本来は入職してみないとわからないような詳細な内部情報までリサーチしてくれます。
きっと、働きやすい職場が見つかります。