なぜこの人が昇進するの!?病院は管理職も人手不足…意地悪な看護師の先輩が「上司」になってしまった日
ツイート病院は管理職も「人手不足」という現実
「看護師不足」ということが、
叫ばれて久しいですが、
不足しているのは、
「ヒラ看護師」
だけではありません。
管理職の看護師も、
不足していたのです。
A大学病院は他の病院同様、
看護師不足に悩まされていました。
年度途中での退職は、
原則認められていなかったため、
年度途中での採用もしていませんでした。
そのため、
産休や病休に入る看護師がいる部署は、
当然のように欠員が出てしまうのです。
そんな中、
4B病棟の主任が妊娠しました。
祝福の気持ちもある反面、
私たちスタッフは、
「主任さんが産休に入ったら、
誰が主任になるんだろう?」
というのが、
心配の種になっていました。
先輩方の間では、
様々な憶測が飛び交いました。
「隣の病棟の主任が兼任するのでは?」
「系列病院から異動してくるのでは?」
自分の上司が、
誰になるかわからないという、
不安定な状況の下では、
根拠のない噂がち上がるのも、
仕方がないことでした。
新しい主任になったのは…
主任の産休を1ヶ月後に控えたある日、
非常に恐ろしい噂を耳にしました。
「T先輩が主任に昇進するらしいよ」
それは、
4B病棟のスタッフ全員が、
恐れていたことでした。
「それだけは勘弁してくれ」と、
誰もが思っていたのです。
しかし、
冷静に考えると、
「T先輩が主任になる」というのは、
一番可能性が高く、
現実的なことのように思いました。
T先輩は、
4B病棟の常勤スタッフの中では、
最も経験年数が長く、
更にはA大学附属の、
看護学校出身でした。
何度か院内の異動を経験しており、
複数の診療科での経験を積んでいます。
私たち後輩からは、
「意地悪」という理由で、
嫌われていますが、
仕事ができないわけではなく、
問題なくリーダー業務をこなしています。
考えたくないことですが、
「人間性」を除いた条件だけを見れば、
主任になってもおかしくない人なのです。
そしてついに、
その月の部署会の日が、
やってきました。
この部署会で、
「新しい主任」が発表されることは、
確実でした。
師長が改まった口調で言いました。
「看護部会議の決定事項です。
今月末で、主任が産休に入ります。
そのため、
来月1日付けでTさんが、
4B病棟の主任になることが、
決まりました。
年度途中ではありますが、
皆で新しい主任を、
盛り立てていきましょうね」
私たちが、
最も恐れていた展開になってしまいました。
こうして、
「T先輩」は「T主任」になったのです。
主任になって孤立していく「T主任」
「T先輩」改め、
「T主任」は、
昇進したことがよほど嬉しかったのか、
しばらく機嫌の良い日が続きました。
しかし、
日常業務は問題なくこなしていた、
T主任でしたが、
「主任業務」となると別物だったようで、
徐々に病棟内に歪みが出てきました。
元々、
後輩には冷たい態度を取ることが多かった、
T主任ですが、
それは主任の役職に就いても、
変化しませんでした。
そのため、
誰もがT主任とはなるべく話さないように、
会話は最小限にするようになっていったのです。
以前は、
業務上のわからないことは、
主任に確認するのが暗黙のルールでした。
しかし、
T主任に替わってからは、
業務上のわからないことがあっても、
他の経験豊富な先輩に、
確認するようになりました。
T主任は、
スタッフの誰からも話しかけられることなく、
一人で主任のデスクに座っていることが、
増えていったのです。
病棟内で起こるミスも増えました。
以前であれば、
ちょっとでも不安なことがあれば、
気軽に主任に相談していました。
T主任になってからは、
自己判断をするスタッフが増え、
それがミスやトラブルに、
繋がるケースが増えていったのです。
我々スタッフの実感としても、
働き辛くなったと感じました。
「気分屋のスタッフ」と、
「気分屋の主任」とでは、
職場環境に及ぼす影響が、
格段に違うのだということを、
私たちスタッフは身をもって知りました。
退職者の激増、そして迎えた新年度
「もう、T主任の下では働きたくない」
と公言するスタッフも出てきました。
そして迎えた年度末、
4B病棟の退職者は7名に上りました。
前年度の退職者が3名だったので、
倍以上です。
退職者の激増の原因が、
T主任にあることは、
師長も薄々感じているようでした。
おそらく、
T主任自身も、
それを感じ取っていたと思います。
しかし、
T主任の態度に変化はなく、
相変わらずスタッフには冷たく、
気分の波がありました。
ただでさえ、
働き辛い環境に加え、
7名もの退職者が出たことで、
病棟の繁忙度は増しました。
残業時間は増える一方、
「休み希望は冠婚葬祭のみ」
という新たなルールが布かれ、
スタッフのストレスは増していきました。
新年度を迎えて、
6名の新人看護師を迎えたことで、
4B病棟は更に混乱していきます。
上司に恵まれなかったら…
本来は仕事上の悩みなどを、
相談するべき上司ですが、
その上司が信頼できない人だったり、
合わない人であることもあります。
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