カナダでのワーホリから帰国後、看護師免許と英語力を活かして治験コーディネーターとして活躍
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近年、看護師の中にも語学力向上を目指して、語学留学やワーキングホリデーに行く人が増えています。
ちょっと前までは、看護師が海外留学するとなると、退職して行く以外に方法はありませんでした。
しかし、近年では夏休み期間を利用して行ける「短期留学」や、職場によっては海外留学のための長期休職を認めてくれるなど、看護師にとって海外留学やワーキングホリデーは、身近なものになりつつあります。
職場に籍を置いたまま留学ができると、帰国後の職探しの心配がなく、保険などの事務手続きの面でも非常にメリットがあります。
今回は、ワーキングホリデーでカナダに1年間滞在し、帰国後、大学病院で治験コーディネーターとして勤務するLさんにお話を伺います。
まず、Lさんの勤務する職場を紹介して頂けますか?
都内の私立大学病院で、治験コーディネーターとして勤務しています。
当院は、治験コーディネーターが10人ほど在籍しています。
私は看護師ですが、同じ治験コーディネーターの中には薬剤師などもいます。
治験コーディネーターは、当院では「医療安全管理部」の所属になるので、看護部とは全く別の部署になります。なので、いわゆる看護師の業務をすることはありません。
Lさんがワーキングホリデーに行った理由やきっかけを教えてください。
以前は、別の私立大学病院の病棟に勤務していましたが、私は受け持ち患者さんにのめり込んでしまう面があって、ちょっと精神的に疲れてしまい、5年目の時に退職しました。
その時に、治験コーディネーターという職業に興味を持ち、製薬会社に就職しました。
当時は、治験に関する資格は何も持っておらず、看護師免許だけでしたが、その製薬会社はいずれ治験コーディネーターの資格を取得することを条件に採用してくれました。
そこで「見習い」のような形で治験に関わり始め、治験の仕事がとてもやりがいのある楽しい仕事だと感じるようになりました。
しかし、その一方で、英語の論文や文献が全く読めないことが、非常に不便だと思うようになりました。
治験は、常に新しい論文を読むことが必要とされるため、日本語訳されていない文献を読まなければならない機会も多かったのです。
私は英語が全くダメだったので、ほとんど仕事にならないと感じました。
そこで、海外に語学を学びに行こうと考え、ワーキングホリデーに行くことを決めました。
その会社は、休職制度などもなかったため、ワーキングホリデーに行くために1年で退職しました。
会社に在籍中に治験コーディネーターの資格だけは取らせてもらいました。
ワーホリでは、どのようなことをしていたのですか?
カナダでホームステイをしながら、飲食店でアルバイトをしていました。
ほとんど英語が話せない状態で行ったので、看護師の仕事は当然のごとくできず、本当に簡単なアルバイトでした。
英語圏に住めば、英語を話さざるを得ないので、会話は徐々に出来るようになりました。1年間で、日常会話は問題ないレベルになりました。
1年間は本当にあっという間でした。カナダで学んできたことは、英語だけだと思います。
帰国後の就職活動はどのようにしましたか?
自分の住居さえもない状態だったので、まずは千葉の実家に戻りました。
最初の1ヶ月くらいは、保険や年金など、役所関係の手続きに追われました。本格的に就職活動を始めたのは、帰国後2ヶ月くらい経ってからでした。
9月に帰国したのですが、日本だと年度途中になるため、求人は少なかったです。
治験コーディネーターの仕事を探しましたが、どれも4月採用だったので、4月からの就職先を探すことにしました。
看護師転職サイトに登録して、いくつかの治験コーディネーターの求人を紹介してもらいました。
病院内での治験業務に興味があったので、今の職場に決め、採用試験を受けました。
4月の入職日までは、その転職サイトでバイトを紹介してもらい、食いつないでいました。
帰国後、大変だったことはありますか?
日本国内の情報に、非常に疎くなっていたことです。
首相も替わっていて、政治面に関してわからないことだらけでした。流行っている言葉も全然わかりませんでした。周りの人と会話が噛み合うようになるまで、ちょっと時間がかかりました。
今思えば、就職まで半年の期間があって良かったと思います。あの状態で面接を受けに行ったら、間違いなく不合格になったと思います。
あとは、実質“無職”の期間があったので、役所関係の手続きが面倒だったことです。
保険・年金・税金などを、全て自分で手続きしなければならなかったので、意外と忙しかったです。
就職してから、ワーホリでの経験が活かされていると感じることはありますか?
一番は、やはり英語力です。英語の論文や文献を読むスピードが格段に上がりました。海外講師のセミナーなども、躊躇なく参加できるようになりました。
患者さんとの関わりの中で英語を必要とする機会はほとんどありませんが、情報を得るためには英語が必要だと感じています。
また、昨年、オーストラリアでの海外研修に参加させてもらうことができました。
海外の学会にも参加しました。
英語がわかるようになると、こんなにも世界が広がるのだと感じました。
あとは、積極性が増したと思います。
日本人は言わなくても察してくれますが、海外は常に自己主張していかないといけないので、自分の意見をはっきり言う習慣がつきました。
今後のビジョンを教えてください。
もう少し今の職場で経験を積んだら、看護師として海外留学したいと考えています。
日本ではまだまだ治験における看護師の役割が明確ではありませんが、そういったことも含めて、もっと勉強していきたいと思っています。
治験コーディネーターのまとめ
以上のインタビューから、治験コーディネーターの特徴と、海外から帰国後の就職活動のポイントについてまとめてみました。
治験コーディネーターの特徴
- 英語ができると、活躍の場が広がる。
- 看護師ほど求人は多くない。
- 治験コーディネーターの資格を持っていなくても、就職できることがある。
- 常に学ぶ姿勢が必要。
海外から帰国後の就職活動のポイント
- 帰国後は、国内情勢に疎いこともあるので、情報収集を怠らない。
- 事務手続きなどで多忙となることもある。
- 余裕を持ったスケジュールを立てる。
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- 勤務形態:常勤
- 勤務時間:2交代制・残業ほとんどなし
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