看護師が出世をスムーズに断る方法。管理職(看護部長・副看護部長・師長・副師長・主任)やりたくない…細く長く続けたい!
ツイート役職が少ない看護師業界
「出世」「昇進」と言うと、社会人にとっては非常に光栄なことであり、それを目標に日々頑張っている人も多いものです。
逆に、「万年ヒラ社員」という侮蔑の言葉もあります。
社会通念上、「出世」「昇進」を目指すことは社会人として当たり前のことであり、出世を拒むと、「向上心がない人」というレッテルを貼られてしまいます。
では、看護師の世界ではどうなのでしょうか?
看護師業界は、一般職に比べて、役職の数が少ないと言われています。
一般企業では、会長・社長・専務・常務・監査役・本部長・部長・次長・課長・係長・主任などの他、「副○○」「○○代理」といった役職があることもあります。
一方、看護師業界は、看護部長・副看護部長・師長・副師長・主任が主たる役職で、一般企業と比べると、「ヒラ」の割合が高いのが特徴です。
そのため、生涯何の役職にもつかない「万年ヒラ社員」は、一般企業よりも看護師業界の方が多いのです。
看護師の場合、「出世したくない」=「向上心がない」ではないのです!
看護師の場合、「出世」の打診をされたことをきっかけに退職してしまう人がいるほど敬遠されている「管理職」ですが、看護師が出世したくない理由には、どういったものがあるのでしょうか?
- 給料が割に合わない。
- 自分には向いていないと感じる。
- サービス残業が増える。
- ストレスが増える。
- 転職しづらくなる。
これらの理由は、一般企業で「出世したくない」という社員からも聞かれます。
しかし、「出世したくない看護師」には、以下の理由も多いのです。
- 患者と接する時間が減ってしまう。
- マネジメントよりも専門分野の勉強をしていたい。
つまり、「出世が嫌だ」というより、「今の仕事を続けていたい」という理由も多いのです。
この点が、看護師の出世を語る際に、他職種に理解されにくい所以でもあります。
特に看護師の場合、患者への直接的なケアにやりがいを感じている人も多く、管理職になることで、そのやりがいを失ってしまうのではないか?という懸念もあるのです。
そのため、「出世しなくない人」=「向上心がない人」とは言い切れないのが、看護師業界の難しいところでもあります。
2~3万円程度の手当では看護師が納得しない理由
多くの組織では、役職に就くと手当がつくなど、給与が上がります。
それも、出世を目指す要因の一つなのでしょう。
役職の手当ては、3万円程度から始まることが多いようですが、そこにも看護師業界の難しさがあります。
一般企業で「月給が3万円アップします」と言ったら、それは喜ばしい出来事でしょう。
しかし、看護師の場合、「夜勤手当」があるので、夜勤の回数によって2~3万円程度の月給の増減は常時あることなのです。
そのため、「3万円くらいじゃ、割に合わない」「だったら、夜勤を多くやった方がマシ」と考える人も多いのです。
「出世を断っても居続けられる環境」は看護師業界ならでは
一般企業で出世の打診を断ると、大抵の場合、その会社には居づらくなります。
いわゆる「冷や飯を食わされる」といった冷遇を受けたり、希望しない部署や支社に異動させられたり、少なくともそれ以降、出世のチャンスは訪れなくなります。
しかし、看護師の場合、出世を断ってもその職場に平然と居続けることが可能です。
最大の理由は、人手不足であること。
特に、出世の打診をされる看護師は、仕事ができる人であることが多いので、その人に辞められてしまうと、職場としても困るのです。
また、「あの人は、出世の打診を断った」というのは、特に後輩の間で美談として語られることが多く、出世を断ったことが更にその人の職場内の評価を上げることにも繋がってしまうのです。
看護師の場合、出世を断るのにも「もっと患者さんと密に接する仕事をしていたい」「専門分野の勉強をしたい」などという真っ当な理由が成立するため、断られた側の上司も引かざるを得なくなります。
職場からの評価を下げずに出世を断る方法
出世の断り方にも作法があります。
闇雲に拒んだのでは、人間性や社会性を疑われ、評価を下げてしまいます。
ここからは、「冷や飯を食わされずに」出世を断る方法とそのポイントを説明していきます。
1.評価を得たことについては感謝を伝える
出世の打診を受けるということは、本来は大変に光栄なことです。
それまでの仕事の仕方やスタッフとの関わりを評価されたということです。
出世したくない看護師にとっては、出世の打診を受けた「有難さ」よりも「煩わしさ」の方が先に立ってしまい、あからさまに迷惑そうな顔をしたりしがちです。
しかし、まずは「そのような有難いお話を頂けたことは光栄です」という態度を示しましょう。
断るにしても、まずは「出世の話を頂けるほど、私を評価してくれた」という事実に対して、「ありがとうございます」と感謝を伝えましょう。
断るのはそれからです。
2.看護師としての向上心を見せる
ただ「やりたくない」「出世したくない」では、逃げ腰になっている印象を与え、上司の心情としては「この人をもっとやる気にさせたい!」と、逆に火をつけることにもなりかねません。
「出世」以外にやりたいことがある!ということをきちんと伝えましょう。
興味のある専門分野があればそれを出しても良いですし、特に決まっていな場合は、「もっと患者とのコミュニケーション能力を磨きたい」「○○のことをもっと勉強したい」と、前向きな理由を述べましょう。
3.その場しのぎの理由は逆手に取られるので注意する
出世の打診を断る際に、最もやりがちなのが、「来年結婚するかも知れない」「夫が転勤するかも知れない」「進学するかも知れない」などと、その場しのぎで「退職」を匂わすことです。
しかし、これは非常に成功率の低い方法なので注意しましょう。
「主任になって、退職までの1年間で土台を作ってくれれば良い」などと諭されてしまうケースが多く、普通に主任になるよりも難しい課題を突き付けられてしまうこともあるのです。
本気で退職を考えている場合は別として、その場しのぎで「退職」を口実に断るのは避けた方が良いでしょう。
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