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主任・リーダー看護師のためのクレーム対応入門!クレームによるストレスを減らす「初期対応」マニュアル

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クレームの矢面に立ちやすい「主任・リーダー看護師」

病院は、クレームが発生しやすい場所です。

 

 

具合が悪いと「自分が最も優先されるべきだ」と考える人が多く、体調不良から精神的な余裕がなくなり、普段は穏やかな人であっても声を荒げてしまうことも多々あります。

 

 

その中でも、看護師はクレームの矢面に立ちやすい職業です。

 

 

良くも悪くも患者に最も近く、馴染みのある職種であるため、何かと声を掛けやすいのも要因のひとつです。

 

 

看護師に寄せられるクレームが必ずしも「看護師」に対するものとは限りません。

 

 

「医師」に対するものも多く、その他にも受付・会計などの「事務スタッフ」に対するものや、病棟であれば食事に関する「栄養士」「調理師」に対するクレームもあります。

 

 

また、「いびきがうるさい」といった「他の患者」に対するクレームが寄せられることもあります。

 

 

クレームの矢面に立ちやすい看護師の中でも、「主任」「リーダー」といった立場の看護師は、これらのクレームの「初期対応」を任されることが多いです。

 

 

「初期対応」は、最も患者がヒートアップしている時であるため、それに関わる看護師は非常にストレスが大きく、嫌な思いをすることもあります。

 

 

しかし、「クレーム対応」の術を身に付けてくことで、落ち着いて対応することができるようになり、自分が感じるストレスも最小限に抑えることが出来ます。

 

 


 

 

クレーム「初期対応」の基本中の基本

患者からクレームがあった時、主任・リーダー看護師が取るべき行動を解説します。

 

 

全てを忠実に再現できる状況は稀だと思いますが、この「基本」を押さえておくことで、「今やるべきこと」が明確になり、落ち着いて行動できるようになります。

 

 

1.必要なら、場所を変える。

外来の待合ロビーや病棟の廊下、個室以外の病室などは、他の患者や家族もおり、クレーム対応を行うのに適していません。

 

 

大声を出して他の患者を不快にさせることもあり得ますので、場所を変えましょう。

 

 

「申し訳ありませんが、しっかりとお話を聞かせて頂きたいので、こちらに来て頂いてもよろしいでしょうか?」

 

 

と言って、カンファレンスルームや空いている診療ブースなど、できるだけ静かで落ち着いた場所に移動しましょう。

 

 

患者の中には、場所を変えるだけで興奮が収まる人もいます。

 

 

2.自分がクレーム対応に入ることを他のスタッフに伝える。

片手間にクレーム対応をすると、誠意が伝わらず、余計に相手を不快にさせます。

 

 

クレーム対応に入る時は、それだけに集中できる環境を整えることが必要です。

 

 

リーダー看護師であれば、他のリーダー格の看護師(それに準ずるキャリアの看護師)に「自分はクレーム対応に入るため、その間の業務を頼む」と依頼しましょう。

 

 

また、相手が暴力を振るう恐れがある場合は、一人で対応してはいけません。

 

 

医師や事務職員に応援を頼み、同席するか、部屋のすぐ近くで待機してもらうようにしましょう。

 

 

3.患者の言い分を最後まで聞く。

ここが「初期対応」の最も重要な部分です。

 

 

クレームでヒートアップしている人は、話を途中で遮られると、不満が爆発します。

 

 

相手の話を否定せず、こちらは相槌を打つだけにして、患者の興奮が収まるまでひたすら話を聞きましょう。

 

 

ヒートアップしている人は、全てを吐き出すと、こちらが何をしなくても自然と興奮が収まります。

 

 

中には、全てを吐き出すとそれだけで満足して、この時点で「全部話したらスッキリしたよ、ありがとう」などと、笑顔になってしまう患者もいます。

 

 

この時間は、30分かかる覚悟で臨みましょう。

 

 

大抵の患者は、長くても15分くらいで収まります。

 

 

どんなに興奮状態にあっても、普通の人間は15分以上喋り続けることはできないものです。

 

 

逆に、15分以上興奮状態が続くような患者の場合は、精神疾患や薬物の影響が考えられることも頭に入れておきましょう。

 

 

興奮している患者から色々と嫌なこと言われるのは非常にストレスが大きいですが、「長くても15分」と自分に言い聞かせると、結構耐えられるものです。

 

 

4.「不快な思いをさせたこと」について謝罪する。

この時点では、「患者の言い分」しかわからないので、全てについて謝罪するのは時期尚早です。

 

 

この時は「不快な思いをさせてしまって申し訳ありませんでした」と、「不快な思いをさせたこと」についてのみ謝罪の言葉を伝えます。

 

 

5.当該看護師に事実確認をする。

看護師個人を名指ししてクレームがあった場合には、その看護師に事実を確認します。

 

 

この時、その看護師を責めるような言い方をするのはやめましょう。

 

 

本人も、落ち込んでいたり、興奮状態にあることが多いです。

 

 

できるだけ二人きりになれるような静かで落ち着いた場所に移動して、事実を聞きましょう。

 

 

この時も、患者のクレームを聞く時と同様に、まずは言い分を最後まで聞きましょう。

 

 

「自分は正しいことをした」「自分は悪くない」と、興奮して自分の正当性ばかりを主張してしまう看護師もいます。

 

 

そのような場合は、全て吐き出させて、興奮が収まってから改めて事実関係を確認しましょう。

 

 

落ち込んで泣いたりしている場合は、精神的に落ち着くまで業務から離します。

 

 

他の看護師に依頼して、休憩室などで休ませましょう。

 

 

また、いずれにしても、興奮や落ち込みでミスを誘発しやすい精神状態になっているので、できるだけその後の業務を減らすように調整しましょう。

 

 

6.上司・主治医へ報告・相談をする。

仮に、その場で収拾がついた場合であっても、「クレーム対応をした」ということは上司・主治医に報告をします。

 

 

病院によっては、報告書の様式が定められていることもあります。

 

 

些細なことであっても、きちんと報告しましょう。

 

 

「やるべきこと」さえわかっていれば、クレーム対応は怖くない!

リーダーになりたての看護師などは、「自分の勤務中にクレームがあったらどうしよう」と、患者からのクレームに恐怖感を抱くこともあるでしょう。

 

 

しかし、長い看護師人生、クレーム対応に当たらない看護師はいません。

 

 

クレーム対応が「怖い」と感じるのは、どうしたらよいかわからないから。

 

 

「やるべきこと」さえきっちり押さえておけば、あとはマニュアルに則って行動するだけです。

 

 

クレーム対応を通して、患者から更なる信頼を得ることもありますし、成功事例があると自信に繋がります。

 

 

また、うまくいかなかった場合でも、場数を踏むことで看護師としての経験値が増し、自分にとって糧になります。

 

 

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