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「悪質クレーム」を正しく理解しよう!主任・リーダー看護師のためのクレーム対応入門

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「クレーム」と「悪質クレーム」では、対応の仕方が全く違う

病院では、患者からの苦情や要求を総じて「クレーム」と呼んでいることが多いです。

 

 

しかし近年、「悪質クレーム」と呼ばれるものもあります。

 

 

「クレーム」と「悪質クレーム」とは、どのように異なるのでしょうか?

 

 

「クレーム」とは

  • 正当性のある要求
  • 病院側(人・設備等)に落ち度がある場合の苦情

 

 

「悪質クレーム」とは

  • 要求の根拠が正当でない
  • 要求内容が過大
  • 理不尽な要求
  • 粗暴な行動をとる

 

「クレーム」に対しては誠意を持った対応が必要ですが、「悪質クレーム」に対しては、誠意を持った対応をしても限界があります。

 

 

場合によっては、法的措置に頼らざるを得ない状況もあります。

 

 

これらに適切に対処していくには、正しい知識を持っていなければなりません。

 

 


 

 

「悪質クレーム」の具体例

病院で頻発する「悪質クレーム」には、以下のようなものがあります。

 

 

金品を要求するもの

例:「医療費をタダにしろ」

 

無理な要求

例:「時間を返せ」

 

過大な要求

例:「毎回、自分を一番に呼べ」

 

理不尽な要求

例:「○○(医師や看護師等の個人名)を辞めさせろ」

 

粗暴な行動

例:「土下座しろ」、暴力・暴言等

 

 

患者からこれらの言動があったら、通常の「クレーム対応」ではなく、「悪質クレームの対応」にシフトチェンジする必要があります。

 

 

一スタッフでは対応しきれないので、組織全体で対応するようにします。

 

 

「悪質クレーム」が増えた背景

まず、近年「悪質クレーム」が増えた背景を理解しましょう。

 

  • 患者の権利者意識の高まり
  • 医療に対する過剰な期待・甘え
  • 患者のモラル低下
  • マスコミの影響(病院で感じる不快な体験を全て「医療事故」と思う)
  • 病院以外にストレスや不快な感情を発散させる場がない(孤独)

 

 

「悪質クレーマー」に狙われやすいタイプ

「悪質クレーマー」は、相手の隙をついて攻撃してきます。

 

 

そのため、「狙われやすいタイプ」というのがあります。

 

 

狙われやすいタイプは以下の通りです。このタイプのスタッフには特に注意し、対応方法についても教育が必要です。

 

 

  • 新人・若年看護師
  • 過剰に怯える人
  • 抵抗な印象を与えるタイプ(声が小さい、おとなしそう)
  • 挑発に乗りやすいタイプ
  • 正義感が強すぎる人
  • 患者との距離感が近すぎる人

 

 

新人や無抵抗なタイプが狙われやすいというのはイメージしやすいと思いますが、「正義感が強い」「患者との距離感が近い」という看護師は、比較的「仕事ができる」というタイプに多いので、意外な印象を受けるかも知れませんが、注意が必要です。

 

 

「悪質クレーム」の対応のポイント

もし、「悪質クレーム」に遭ってしまったら、以下のポイントを押さえて対応しましょう。

 

 

通常の「クレーム」の対応と重複するポイントもあります。

 

 

1.冷静・誠実な態度で応じる。

大声を出されたりしても動揺せずに、冷静に対応しましょう。

 

おどおどしたりすると、付け入られるおそれがあります。

 

また、相手側の話は、一旦最後まで聞き、正当性のある要求には誠実に応じるという姿勢も見せましょう。

 

 

2.組織で対応する。

個人や部署のみで何とかしようとせず、組織で対応するようにします。

 

事を荒立てたくないという気持ちから自分だけで解決しようとするのは危険です。

 

 

3.金銭で解決しない。

「金を出せ」「タダにしろ」などの要求があっても、その場で応じてはいけません。

 

 

4.脅されても過剰反応しない。

暴言や「訴える」などと脅されても、毅然と対応しましょう。

 

 

5.署名・押印・謝罪文には応じない。

署名などを求められても、その場で応じてはいけません。

 

署名や謝罪文は、解決するどころか、問題を更に大きくすることがあります。

 

 

6.連絡先を教えない。

連絡先を聞かれても、個人の電話や部署への直通番号を教えてはいけません。

 

教える場合は、代表番号のみにします。

 

 

7.相手より多い人数で対応する。

相手が複数いる場合は、相手よりも多い人数で対応しましょう。

 

 

8.違法行為には法的措置を講じる。

暴力行為や器物破損など、明らかに違法な行為や周囲の迷惑となる行為に対しては、毅然と対応します。

 

必要であれば、法的措置も講じます。

 

また、暴力沙汰があれば、迷わずに警備員や警察を呼びます。

 

 

9.録音・録画・記録を残す。

裁判に発展する可能性もあるので、録音などの証拠を残します。

 

それが難しければ、きちんとカルテに記録を残しましょう。

 

患者の言動や医療者側の対応について、経時記録で残します。

 

 

「悪質クレーム」に悩まされない仕組みを作る

「クレーム」「悪質クレーム」は、どんなに対策を講じてもゼロにすることはできません。

 

 

組織として「悪質クレーム」の対策を講じておくことで、スタッフを守ることにも繋がり、安心して働ける環境を作り出すことができます。

 

 

「悪質クレーム」を防ぐための対策

 

1.暴言・暴力・迷惑行為に対する方針を示すポスター等の掲示

「暴言・暴力行為は警察に通報します」などのポスターを掲示する方法です。

 

現在、多くの病院でこのようなポスターが掲示されています。

 

「暴力に屈しない」「暴力を許さない」といった姿勢をアピールすることに繋がります。

 

 

2.クレームを検討するシステム・委員会の設置

同じようなクレームが寄せられることもあると思います。

 

正当性のある要求や苦情であれば、組織として誠実な対応をする必要があります。

 

まずは、クレームの存在をうやむやにせず、組織として把握する必要があります。

 

クレームを受けたら、それを報告するシステムを構築しましょう。

 

病院によっては、クレーム専用の報告書を作成しているところもありますし、インシデントレポートなどに記載させるところもあります。

 

大切なのは、どんなに些細なクレームでも報告させることです。

 

また、報告者を責めるような風潮のある職場は、職場風土を見直すことから始めるべきです。

 

その場で解決したような事例でも、報告するようにしましょう。

 

大切なのは、組織全体で共有することです。

 

 

3.「悪質クレーム」の統一基準を明確にする

どこまでが「クレーム」で、どこからが「悪質クレーム」なのか、組織としての基準を明確にしておきましょう。

 

そうすることで、スタッフも対応しやすくなります。

 

 

4.相談窓口の設置

患者によっては、病院で感じた不都合・不快な出来事などを誰に訴えればよいのかわからず、最も身近な看護師に「クレーム」として訴えているケースも多いです。

 

そのため、「患者相談室」などの相談窓口を設置することも効果的です。

 

 

5.スタッフの教育

クレームの初期対応は、スタッフがすることがほとんどです。

 

そのため、初期対応を正しくできるようにスタッフを教育しておく必要があります。

 

勉強会などを開催し、スタッフに正しい知識と技術を身に付けさせましょう。

 

 

6.マニュアルの作成

対応に迷った場合、フローチャートやマニュアルがあると、スタッフは冷静に行動できます。対応を統一するためにも、クレーム対応のマニュアルを整備することが大切です。

 

 

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